2025.01.08 (Wed)
■ あけましておめでとうございます。
■ [Game] Stellar Blade(ネタバレなし)
昨年の最後にやった作品を新年一発目として日記に書いておく。
トータルで3周プレイ。PSNのプラチナトロフィー獲得済み。1周目40時間、2周目30時間、3周目6時間くらいでコンプという感じ。3周もプレイしたのは本作がマルチエンドだったからでした。
- バトル体験:5
- アクション体験:5
- 世界観:4
- サウンド:5
- シナリオ:3
- キャラデザ:5
- グラフィック:7兆点
昨年もしロマサガ2RがなかったらうっかりGOTYになってたかもしれない。正直、とにかくゲームとして安定して完成されていた作品だった。
ゲームシステムとしてはSEKIROだとか言われているらしいけど、自分はSEKIROをプレイしていないので的を射ているのかどうか分からない。パリィ(ジャストガード)と回避を駆使して被弾を極力避けて戦う、要するに死にゲーの類。
死にゲーだというのを何も知らずに触ったら、案の定死にまくってモチベを保つのが大変キツかったので、難易度をノーマルモードからストーリーモードに下げたら凄くプレイしやすくなった。
難易度ストーリーモードだと被弾してもそこまで痛くないので(被ダメ半減くらいになる)、結果として普通にアクションRPGやオープンワールドっぽいゲームとして楽しめたのでとても良かった。そうなんですよね、やはりカジュアル難易度というのは大事だと思うんですよね。ありがたい。
このゲームはやはりパリィが最も特徴的で、敵の攻撃に合わせて攻撃を弾く(ノーダメになる)のだが、パリィに成功すると敵のダウン値が加算されていく。でダウン値がMAXになるとダウンするので、そこで演出付きの大ダメージを入れられる、という寸法。
パリィが単なる防御じゃなく攻撃の機会にもなるのが良い。パリィすると相手がよろけることもあるので、パリィは良いことしかない。たまにパリィ無効の攻撃も使ってくるので(攻撃が特殊な光り方をする)、それだけは気合で回避しないといけない。などと、単調にならないのも良い。何よりもSEが気持ち良い!
雑魚は攻撃のコンボが2通りくらい、ボスでも10通りもないので、慣れてくると初動見てパリィをトントントンと入れてから攻撃! みたにリズムゲーのような感覚になったりもするのが面白かった。
もちろん、それでも良く被弾する。難しいんだわパリィ。装備で受付時間を延ばせたりはするのだけど、それでもね。
一応銃も使えて、普段はあんまり使うことはないのだが、ブレード使用禁止制限がかかっていて銃だけで進むダンジョンがあったりする。剣でザクザクするだけのゲームだと思ってたから、面白い流れだなーと思った。銃を使う良い練習になる。
なお、そのダンジョンは通路も狭いし物陰も多いし敵は天井やら扉やらから飛び出してくるので、もう完全にバイオハザードだった。掴みかかってくるやつが多いから一層バイオハザード。いや別にゾンビとかは嫌いじゃないんだけど、物陰から突然出てきてビックリさせられるのは心臓に悪いぜ。ヘッドショットとロケランで一網打尽だ。ついでにレールガンもお見舞いだ。
剣が使える状況でも、フィールドを探索しているとたまに超遠隔からビーム打ってくる砲台があったりするので、そういうのにはこちらも遠隔でミサイルポッド撃ってぶっ壊す、などという工夫も出来るなと、後々になって気付かされたりはした。我、剣大好きすぎるから銃の存在を忘れがち。
成長要素としては、まず基本的にレベルがない。 基礎能力は敵を倒してるだけでは上がらない。HPとBE(スキル使うときの消費エネルギー)は、フィールドなどに落ちてる遺体から回収できるのでそれで増えていく。ゼルダで言うハートの欠片みたいなやつ。
攻撃力や防御力は原則として全く上がらず、装備でコンボダメージ○%アップとかスキルダメージ○%アップとかで補助していくくらいしかできない。後半になるほど強い装備が落ちてるのでここはどんどん付け替えていく楽しさはあった。主装備2枠と副装備(アクセ)4枠があって、でもまあ概ね1~2枠は防御や回避系に割く必要があるかなという感じだった。難易度落としても死にゲーですからね、死なないようにしないとね。
スキル習得はいわゆるスフィア盤で取っていくのだが、スキルはアクション要素を増やすものしかないので、パッシブ系でも例えば○スキルのダメージが上がる、とかしかない。とはいえ数がめちゃくちゃあるし、敵を倒すとこのスキル上げ用の経験値が入るので、どれから習得していくかな~という楽しみがあった。最終的には全部覚えるんだけども。
カスタマイズ要素としては、主人公イヴの衣装・メガネ・イヤリング・髪型がある。これらのカスタマイズ要素がめちゃくちゃ豊富で頭がおかしい。 衣装とか何種類あったんだ……? 多すぎて全部取れてないんだけど、取れただけでも50種類くらいあった気がする。ページのスクロールが億劫なくらい用意されていて、色んな方のヘキに対応可能です。メガネも異常な豊富さ。
このカスタマイズ要素は全てのカットシーンで反映されているので、この綺麗なカットシーンも全部リアルタイムレンダリングってことぉ……? ってビビるしかない。SIEが関わってるからなのか。すげー。逆の言い方をすると、ゲームしてると常時カットシーンみたいなグラフィックに感じる。
ダンジョンやフィールドは広大で、探索要素が盛りだくさん。特にフィールド系マップは、オープンワールドかってくらいに広い。グラフィックが良いのもあってどこまでも歩いて行けそうに見えてしまう。
分かれ道が多いから色んなところを探索してみたくなるし、行った先にはちゃんと宝箱があったり、HPやBEをアップするための遺体を見つけたり、収集要素の缶集め(いわゆるちいさなメダル要素)があったりと、純粋にうろうろするのが楽しいなって感じだった。後半はもうスキャン連打しながら歩くくらいになる。あと釣り。概ね原神と同じ事やってるし、同じ事がやれるので、脳がオープンワールドだと錯覚する。
やはり何よりもグラフィックがとても美麗なので、ポストアポカリプス的な世界観も相まって、探索が常に楽しかった。我、文明破壊された世界をうろうろするのが好き(ゴッドイーターやコードヴェインでも同じ事言ってる)。
世界観としてはほぼNieR:Automata。音楽もニーアだろってくらいニーア。
最終戦争で世界がめちゃくちゃになって以降、人類はコロニーに進出。進化に進化を重ねて、深海でも宇宙でも生身で生きられるようになった。一方で地球上にはネイティブと呼ばれる化け物が跋扈するようになっており、ネイティブを討伐するための空挺部隊として主人公イヴはコロニーから地上へ初めて降り立つ……みたいな話。
作品の雰囲気を語るには、ニーアからヨコオタロウを除いて死にゲーにしたゲーム、と評するのが一番分かりやすいなという気がしていた……のだが、なんか気付いたらNieR:Automataとコラボしてた。本家が乗り込んでくると思ってなくて笑った。有料DLCだったけど勢いで買った。エミールかわいいね。
そして最初に書いたように、このゲーム、なんとマルチエンドだった。死にゲーでマルチエンド!? いやこれもたぶんニーアのオマージュな気がする。知らんけど。
エンディングは3つあって、まあ普通にプレイしてるとTrueエンドに行く(PSNのトロフィー取得率もこれが一番高い)。他の2つのエンドはノーマルエンドで、分岐要素は「特定のキャラとの親密度(=サブクエのクリア度)」と「最後の選択肢」だけなので割とシンプル。分岐要素さえ分かってしまえばエンディング回収は容易なのは助かる。
……んだけど、このゲームにはセーブスロットの概念がない(要するにオートセーブの1枠しかセーブがない)ので、マルチエンドを見ようと思うと周回必須になるのがやや面倒だった。クリア後にクリアデータから再開すると最後の分岐が固定されてしまっているので、結局最初からやり直さざるをえない。そこだけが面倒。とはいえこのためだけにセーブスロット機能付けるのもなあ……って開発者の気持ちも分からんではない。
とにかく美麗なグラフィックと音楽、世界観、そして高度なアクション要素というリソースの物量で殴りかかってくるゲームで、本当に全体のクオリティが高い。ここまでの文体にも表れてるんだけど、なんかもうゲームとして安定しすぎてて、正直感想が書きづらい。PS5 Proでプレイしたのでなおのことグラフィックも良かったし。ロード時間もFF16ばりに皆無に等しい。
SF要素も出てくるので浪漫度も高い。軌道エレベーターで宇宙に行くシーンなどはやはり人類としての憧れだしグラフィックも素晴らしい。ただ生身で軌道エレベーターの外に出たりとか宇宙空間に出たりするのはやっぱりビビるし笑っちゃう。人類の進化すごいぜ。なりたいとは思わないが。
ストーリーの大枠としては典型的なSF的映像作品という感じで、まあ雰囲気を楽しめ! ということであろうと思った。いわゆる王道作品だ。最終戦争に何があったのか、人類は如何にして進化したか、そして神たるマザースフィアとは何者なのか……。ま、大体想像つくと思いますけどね。
最初はもちろんビジュアルに惹かれて買った作品だったんだけど(というか前情報がなさ過ぎて、どういうゲームなのか全然判断できんかった)、蓋を開けてみればアクションやバトルから探索もしっかり楽しめたし、サブクエや収集要素、釣りなどで遊び心もあったり……と1つのゲームで色々と楽しめたのがとても良かった。
NIKKEやマグナカルタなどのキャラデザをやってたキム・ヒョンテがディレクターをやっているだけあって、特に主人公イヴのデザインへのこだわりがすごい。肌の肉感とか表情とか衣装とか、これがリアルタイムレンダリングで動いてるのか凄いなっていう感じだった。ちょっと現状これ以上のキャラデザへのこだわりを見ていない。FF16とかの比ですらない。
昨年9月のアプデでフォトモードも追加されたので美麗なグラフィックをなめ回すように楽しめる。ありがとうございます。こういうグラフィックの良いゲームは全てのゲームでフォトモードを追加してほしい。
ただその綺麗な分だけ、敵であるネイティブのデザインもしっかりグロテスクで綺麗(?)だった。クリーチャーが、本当に普通に、キモい。 主人公のトドメの一撃でボスを倒すときに真っ二つになったりすることがあるけどしっかり断面まで見えるのでおおグロいグロい。モブもみんな頭が飛ぶ腕が飛ぶなんてザラなので、こいつぁなかなか人を選ぶなと。
しかしそう人を選ぶのはあるけれど、ゲーム体験としては本当に安定した作品だった。まさか3周もしてトロコンまですることになるとは!
あんまりにも楽しかったから、もう何の目標もないのにもう1周くらいしても良いな~と思ったりしている。それくらいどハマりしました、という話でした。
2024.12.26 (Thu)
■ [Game] 2024年ゲームまとめとGOTY
やあ。今年もGOTYことGame of the yearの季節がやってきたよ。前半で今年プレイしたゲームのリストを掲載しつつ、後半で部門別にGOTYを書いていく。
今年新規着手したゲーム
買い切り型(★はPSのプラチナトロフィー済み):
- PS5:グランブルーファンタジー Re:Link
- iOS:エクスアストリス
- PS5:Stellar Blade
- Switch:魔法使いの夜
- PS5:★聖剣伝説VISIONS of MANA(感想日記)
- Switch:Fit Boxing 2
- PS5:★ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブン(感想日記)
- PS5:★ドラゴンクエストIII そして伝説へ… HD-2D版(感想日記)
- PS5:真・三國無双ORIGIN 体験版
運営型:
- iOS:学園アイドルマスター
- iOS:リバースブルー×リバースエンド(感想日記)
- iOS:ねこあつめ2
- iOS:ドールズフロントライン2 エクシリウム
継続プレイしてるゲーム
PS5:
- FINAL FANTASY XIV v7.x(黄金のレガシー)(感想ライト版、感想詳細版)
- ドラゴンクエストX v7.x(未来への扉とまどろみの少女)
- 崩壊:スターレイル v2.x(ピノコニー編)
- 原神 v5.x(ナタ編)
- BLUE PROTOCOL(2025年1月にサービス終了予定)
iOS:
- Fate/Grand Order
- アークナイツ
- ロマンシングサガ リユニバース
- アナザーエデン
- グランブルーファンタジー
- プリンセスコネクト! Re:Dive
- ウマ娘プリティーダービー
- ファイアーエムブレム ヒーローズ
- オクトパストラベラー 大陸の覇者
- ヘブンバーンズレッド
- BLUE REFLECTION SUN/燦(サービス終了)
- テイルズ オブ ザレイズ(サービス終了)
その他ゲーム関係のアクティビティ
- iPhone 13 → iPhone 16に新調
- PS5 Pro購入
- トイドローン購入
- FF14 TTRPG購入(スターターキット、スタンダードルールブック)
- グラブルオケコン参加
- えっちな同人RPGを4本くらいクリア
2024年GOTY
今年プレイした本数は決して多くはないけれど、しかし良作が多くて選ぶのに非常に悩んだ。もはやそのゲームを褒めたいが為に設けている部門がある気がするが、そういったところには目を瞑って貰いたい。まあ所詮これは個人の観点でのランキングなのでね。人の数だけGOTYがあるのだ。
総合GOTY:ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブン
どう足掻いても総合1位はロマサガ2Rことロマンシングサガ2 リベンジオブザセブンだ。すでに散々言っているので先に総合を書いてしまう。
詳しくは感想日記で語り散らしているのでそちらを参照して貰いたいが、とにもかくにも全てのバランスが良いリメイクで、コマンド型JRPGとして最高傑作となって帰ってきた。リメイクだからといって尻込みする必要はないし、むしろ原作をやったことない人にこそ、プレイするなら今! これをやって!! と言える。
原作ではマスクデータが多かったりで「察して」みたいな部分が多かったのが全て削ぎ落とされて大変プレイしやすくなった。元々が「アクが強いが名作」だったのがアクが取れて単なる「名作」になってしまった、という話。令和の今風になったキャラデザや音楽、そしてシステム。総じてプレイしやすさに繋がっていて大変良かった。
コマンドバトル部門GOTY:ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブン
連続になるが、ロマサガ2Rが最も良かったのは、このバトル体験だ。めちゃくちゃにテンポの良いバトル、手に汗握る難易度、敵の攻撃をメタっていきながら戦って高難易度に勝ったときの達成感はこれ以上ないものであった。
最高難易度である難易度ロマンシングは本当にバランスが良く出来てて、ボスどころか雑魚でも気を抜くと死ぬというバランスなのに、ちゃーんと対策を取っていれば、猛攻をかいくぐってきちんと勝つことが出来る。凄く良く出来ている。「難しいが、勝ちの目が全く見えないわけではない」という見せ方は本当に良かったなあと思う。全ての行動に対してメタり方がきちんと用意されていてどう組み立てるかと、そして最後は上振れを祈るというのが良かった。
全人類ロマサガ2Rをやってください。
コマンドバトル部門の次点は、崩壊:スターレイル。まだ育成が出来ていないキャラも強制的にレベルが引き上げられている状態になる階差宇宙で、高難易度プロトコルランクで得られる体験というのもまた他に代えがたい体験だった。ボスごとにパーティー編成を如何にうまく組んでいくかというのは、戦略ゲーとしても良く出来ていると思う。
パーティー編成の選択の幅を広げて新しい体験を得たいならガチャでキャラを引け、というのは非常に分かりやすいゲームデザイン。Pay to winというほどではないが、シンプルに新しい体験に対して課金しているようなイメージだ。もちろん推しを一点張りで推し続けるというのも出来る。原神もそうだが、HoYoVerseのゲームはそういった楽しみ方も出来るのがとても良いですね。
階差宇宙のプロトコル7まではようやくクリア出来たんだけど、7は挑むたびに最後のボスに浮煙を引きまくって無理ゲーすぎて疲れちゃったので、8(最高ランク)に挑むのは年明けくらいにしたい。最後に浮煙さえ引かなければ、あと道中に麒麟を引かなければ、たぶん勝てるはずだ……たぶん……。
アクションバトル部門GOTY:Stellar Blade
4月末に発売したもののちゃんと着手したのは12月だったStellar Blade、出遅れてのプレイ着手だったけど、本腰入れてプレイし始めたら期待通りしっかり面白かった。
とにかく特徴的なのはパリィことジャストガードと、ジャスト回避だ。敵の素早い連撃を見切ってしっかりと一撃一撃パリィして、そこから猛攻に繋げていく! というのはアクションRPGとして一歩抜きん出ていた。パリィは成功すればノーダメになるだけではなく敵のダウン値も溜まっていくので攻撃の要にもなる。敵の行動に合わせてダンスするかのごとく、攻撃よりもパリィに重きを置いてバトルをしていくのが面白い。
バトルアクションも無双ライクで選択の幅があるし、スキルもキメられると爽快感がある。勿論パリィを成功させる難易度は高いが、パッシブスキルや装備でジャスト判定のタイミングを緩和できるので、何時間もプレイしてくると慣れてくるので大丈夫。あとは敵の動きを読むだけ!(そこが一番ムズい)
特にアクション大好きな人にはお勧めしたい1作であった。感想日記は別途書きたいと思う。
アクションバトルの次点はグランブルーファンタジー Re:Link。こちらも同様に、回避やガードを駆使して敵の行動をかいくぐってコンボをキメる楽しさがあった。またギミック処理に関してはFF14を彷彿とさせるような円範囲や直線範囲が出るので、それらを避けながらというのも脳汁がドバドバと出てとても良い。キャラ同士の掛け合いも素晴らしく、キャラゲーとしてもポイントが高い。
発表から発売まで随分と待たされた印象はあるが、それでも時間を掛けた分だけ素晴らしいものになっていたし、原作であるグラブルの素材を良く活かしきった1作だったと思う。
ビジュアル部門GOTY:聖剣伝説VISIONS of MANA
聖剣伝説VISIONS of MANAのあのマナの聖域、マナの樹だけで、もう今年のトップだ。ムービーのワンシーンとかではなく、あの荘厳かつ壮大で美しいマナの樹がリアルタイムレンダリングでバックに描かれながら、ストーリーの会話が繰り広げられたりバトルをしたりする。聖剣ファンを自称してはいるが、まさかそんな最高の体験が出来る日が来るとは夢にも思っていなかったよ。感想日記はこちら。
ビジュアル面だけでも聖剣への解釈が完璧。それに加えて菊田さんをはじめとした聖剣をよく分かっている方々のサウンド。それらが合わさって令和に新生したのが、この聖剣伝説VoMだ。
取り敢えず、騙されたと思ってちょっとマナの聖域まで行ってみて欲しい。後生だから。
ビジュアルの次点はStellar Blade。流石にSIEが関わっているからか、PS5の能力を最大限引き出したビジュアルは目を見張るものがあった。美麗なカットシーンでもキャラクターの衣装や髪型の設定が反映されているので、これすべてリアルタイムレンダリングということだ。「今ってリアルタイムレンダでもこんな綺麗な映像作れるの!?」と素直に感心した。FF16よりも綺麗だった気がする。いやまあもちろん今年買ったPS5 Proでやっているからというのもあるかもしれないが。
とにかく終始、風景が緻密で綺麗だし、人物の肉感とかも素晴らしい。またフォトモードもあるのでいつでもどこでも好きな画を撮りたい放題だ。やったぜ。
シナリオ体験部門GOTY:Fate/Grand Order
この部門は毎年FGO専用枠みたいになってますが、その通りです。Fate/Grand Orderは「RPGとしてのシナリオ体験」としてやはり至高なのだ。
自分がRPGを好きなのは「バトルやフィールド探索というゲーム性のあとに、濃密なシナリオとサウンドのご褒美が待っていること」なわけですが、FGOも毎度この文脈に沿って作られている。シナリオ体験と合わさったバトル体験はやはり良いものですね。
今年はメインストーリーである「奏章II 不可逆廃棄孔 イド」、「奏章III 新霊長後継戦 アーキタイプ・インセプション」の2本だけでも十分に最高の体験だったわけですが、それに加えてFate/Samurai remnantコラボイベ、魔法使いの夜コラボイベのどちらもシナリオが良く、なんで読めるのが期間限定なんだよアホかと口を開くたびに喚き散らしている。今からFate/Samurai remnantに触れた人がFGOであのアフターストーリーを読めないのは人類にとっての大きな喪失ですよ、何やってるんだよ。
まほよについては今年までずっと未プレイだったが、イベント予告が出た時点で慌てて開封し、一気に読んだ。まほよ自体も最高だったし、その流れで読んだFGOコラボイベも最高だった。楽しむなら全力で、万難を排して挑むのさ。
来年には第2部完結が予告されているが、さてどんな体験をさせてもらえるのか。今からとても楽しみですね。
次点は原神のナタ編。七国の物語もいよいよ6つ目ということで、話が大変盛り上がっている。次の元日の更新でナタ編が完結する(と思われる)ので非常に楽しみだ。
ここまで(フォンテーヌまで)は、国で起きる問題と、主人公のきょうだいの物語とが、2本並行して走っていた感じだった。フォンテーヌに入る前の「カリベルト」、ナタに入る前の「ベッドタイム・ストーリー」で主人公たちの話が描かれていたが、ナタに入ってからナタの話とカーンルイアの話が同時に語られるようになり、いよいよ終盤なんだなという気持ちを高めさせられてくる。
またナタの話自体が、ナタの国民たちみんなが主役という感じの描かれ方をしていてとても熱い。500年というまさに壮大な時間軸に加えて、軍記物のように色んなキャラクターたちの思惑が入り交じって非常に面白い。フォンテーヌまでの話とは打って変わってずっと濃厚な話が展開させられている。シトラリが出るとだいぶコミカルになるがそこもアクセントになってとても良い。
ナタと、そしてその先も、しっかり追っていきたいところですね。
サウンド部門GOTY:原神
原神はナタ編に入ってから南米系サウンドを纏ってきた。奇しくも、今年リリースされたFF14の新拡張パッケージである「黄金のレガシー」がまた南米系の雰囲気であったので、今年はゲームギョウカイに南米ブームが来ていると言って間違いないだろう!
フォンテーヌとは打って変わって民族楽器をふんだんに取り入れ、そして熱いコーラスも普通にガシガシ入ってきている。このメインテーマがそのままナタの戦士達を鼓舞するための歌で、シナリオ体験としても非常にマッチしているのが本当にズルい。
ナタのバトル曲もこのメインテーマのアレンジだったりしつつもいつもの原神バトル曲のノリを踏襲してるもんだから、そりゃあ最高にカッコ良いに決まっていた。個人的にはスメール編の草竜アペプ戦の曲が好きなんだが、ナタはナタでまた違った雰囲気で気持ちが高まってとても良い。
ナタ編のサントラは既に2本リリースされていてサブスクから聴けるが、今でも仕事のBGMとしても大変助かっている。
主題歌部門GOTY:崩壊:スターレイル
我、ラストバトルでめちゃカッコ良いボーカル曲掛かるの大好き侍……。
ということで崩壊:スターレイルのピノコニー編ラスボス曲である「翼の生えた希望」が最高だったよねという話です。バトルとしても強大なボスに立ち向かっていく中、熱く鼓舞されるボーカルとコーラスで背中をぐいぐい押されていくあの感じはたまらなく最高だったなと思うわけです。そしてマンデー……。
公式でEPとして動画が出ているわけですが(上記の)、これを見直してもやっぱ最高のラスボス体験とラスボス曲だったなあと思うわけです。何故かちょっとほろりとしてしまう。そんな熱い体験をさせてくれて本当にありがとう。あとv2.7の話でやっとロビンちゃんかわいいなって思った(本当に今更)。
GOTYまとめ
……というわけで、素敵なサウンドをバックに、今年のGOTYまとめを終わることにします。
今回の選外にしてしまったゲームもどれももちろん甲乙付けがたい楽しさがあったので、開発者の方々にはいつも頭が上がらない。いつも素敵なゲームを作ってくれて本当にありがとうございます!
2025年たのしみ
そして、来年も楽しみが沢山ですね。何はともあれ、元日の原神アプデ(とFGOのガチャ)だ!
- 1/1:原神 v5.3アプデ
- 1/2:鳴潮(PS5版)
- 1/9:フリーダムウォーズ リマスター
- 3/21:ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地
- 4/10:PROGRESS ORDERS
- 2025年春:竜の国 ルーンファクトリー
- 2025年:ドラゴンクエスト I&II
- 2025年:Fate/EXTRA Record
- 2025年:紅の錬金術士と白の守護者 〜レスレリアーナのアトリエ〜
- 2025年:崩壊:スターレイル×Fate/Unlimited Blade Worksコラボ
- 2025年:Fate/Grand Order 第2部完結
- ?:アークナイツ エンドフィールド
- 未定:BUILD ORDER
それでは、良いお年を。
他の人のGOTY記事
2024.12.16 (Mon)
■ [Game] ドラゴンクエスト3 HD-2D版(ネタバレあり)
スタッフロールまで30時間。そのあとの裏ボスたちを全て討伐してPSのプラチナトロフィー取得するところまでで、45時間。じっくりやった方だと思うのでもう少し早められたかもしれない。バトルスピードは最初から「超はやい」にした。
DQ3発売日の段階でロマサガ2Rの難易度ロマンシング攻略がまだ終わっていなかったので、発売から随分と日が開いてのクリアとなってしまった。
まず最初に総評を書いておく。
- シナリオ:3
- バトル:1
- 音楽:4
- キャラデザ:3
- グラフィック:4
- 総合:3
先に好きだったところを挙げていく。
CVが入ったことで色々と感じ方が変わった部分はあった。特に主人公の母親(CV佐藤利奈)の演技が本当にめちゃくちゃ良かった。マジでお母さんって感じだった。これだけで一聴の価値があるので聴いて欲しい。
仲間キャラたちも攻撃時や呪文を喋るようになったので、バトルが賑やかで良い。声の選択で呪文のしゃべり方にも個性が出ているのは面白いなと思った。ギャルの呪文が割と好きです。でも勇者の皆口さんはあんまり似合わなかった気がする。
オルテガの追加エピソードは可もなく不可もなくといったところ。混ぜ方としてはロマサガ2Rの七英雄ビデオレターよりマシだったけど、とはいえフーンってくらいの感情だった。火山に飛び込んだ後になんでアレフガルドに着いたのかは結局謎だが……。
ルイーダの酒場を作ったのがオルテガが帰ってこなかったことを受けてって話は良かった。昔はなかったよね? あのエピソードが一番「おおっ」となった。
ルーラで洞窟やダンジョンにも飛べるようにしたのは素晴らしい。令和の今はそれでいいんです。ダンジョンや建物内でもルーラで頭をぶつけなくなったのも良くやったと思う。DQ10でも最近はそういう方向性だし、さみしさはあるものの、時代に合わせていくのが良いと思う。ただ、それならリレミトは削除しても良かったと思う。
グラフィック面、HD-2Dが合っていたかというのは、正直自分にはあまり感じられなかった。グラフィックは確かに綺麗だったと思うが、それだけだった。マップを回転出来ないことによって横方向の入口の位置が全然分からなかったり開け放った扉に邪魔されたりと、デメリットのほうが多かったと思う。
ドット絵のモーションが結構なバリエーション用意されていたのは凄いなと思った。敵キャラの攻撃モーションや倒れ込むモーションもそうだし、あと主人公の母親が主人公を抱きしめるシーンなんかもかなりほろりときてしまった。あれはドットの妙技だと思う。
エンディングのあとの大神官の話は普通に「おお、そう来たか!」となったので割と好き。これが気になるというだけで次のDQ1・2は買おうかなという気持ちにさせられるんだから我ながらチョロいなと思うのである。ここから伝説ははじまるが、さてどう繋いでいくのか……という新解釈DQ1・2、楽しみですね。
総じて「DQ3が最新の表現力で令和にリメイクされた!」ということ自体に価値があるんだろうなと思わせられる一作でした。
……ということで良かったのを挙げるのはここまでにして、ここからは好きじゃなかったところを挙げていく。
とにもかくにもバトル関係が全部ダメだった。
雑なバトルバランス設計
ボスが2回や3回行動してくるのは全然良い。だが雑魚敵が平然と2回や3回行動してくるのは、全く理解出来ない。
割と序盤のほうから2回行動する雑魚が出てきて「ん?」となり、最終盤なんかは6体出てきた敵が全員3回行動して1ターンでトータル18回行動されるなんてザラだ。こちらは4回しか行動出来ないのに敵の10回以上の行動を毎ターン眺めさせられることに何の面白みがあるんだよとしか思えなかった。そこら辺を歩いてるカニが3回行動してしかもザラキ織り交ぜてくるんだぜ? 流石にそんなに連打されれば命中率の低いザラキも当たるに決まってる。
敵の使ってくる状態異常もストレスの極み。ザラキ(全体即死呪文)を使う敵が多いだけでもクソゲーなんだけど、眠り・マヒ・混乱・おびえを使う敵も異様に多い。しかも2回3回行動してきてそれらを織り交ぜてくるから、毎ターン誰かしら状態異常になったりする。
普通のゲームならそれに対抗して状態異常耐性のあるアクセサリーを付けたりするわけだが、DQ3では耐性装備は状態異常100%ガードではないどころか、付けててもめちゃくちゃ状態異常にかかるしザラキで死ぬ。耐性装備を付けてても本当に耐性効果があったのか体感では全く分からなかったレベル。耐性装備は全部ゴミです全部売り払っていい。
結局、うんのよさ(状態異常耐性がこのステータス依存なのもどうなんだ? 運なの?)のステータスを上げるのが一番の解決策で、つまり「しあわせのくつ」(一番うんのよさが上がる)が一番重要なアクセでした。そんなことある?
ザオラル・ザオリクを使ってくる敵もちょいちょい居るが、それらが複数回行動をしてくるとほぼ詰みに近い。敵が使う回復行動に対しては、普通に考えると「回復行動で1ターン消費させている間に、こちらはそれ以上のダメージをたたき込むことでメタっていく」という戦略で対抗していくことになるわけだが、例えば敵がザオリクとイオナズンを同時に使ってくるようなことをしてくると、それはもう何もメタれない。こっちは4人しかパーティーメンバーいなくてみんな1回ずつしか行動出来ないんですよ。雑魚敵が全員大魔王バーンで全員天地魔闘の構えを使ってくるようなもんだよ。
仲間を呼ぶタイプの敵も同様で、1ターンに何回も仲間を呼べてしまうもんだから、こっちの討伐速度が追いつかない。DQ10だと仲間を呼ぶ敵はモンスターA~Lまでいったら仲間が呼べなくなる仕様だが、DQ3は無限に呼べる仕様のようなので、テドンの街のボスとかマジで無限呼びされて無理だった。あと裏ダンのパンドラボックスも同様(これは後述)。
そんなこんなで、雑魚敵が複数回行動してくるというのが全ての悪であるというバランスになっている。むしろ1体しかいないボスのほうが圧倒的に楽。1ターンに3回しか行動してこないとか温情に感じる。ロマサガ2のラスボスの7回行動すら可愛く見える。
ところで、ほとんどのボスや一部の雑魚敵は毎ターンHPが自動回復する(ノーマル以上の難易度で)。なんで?
敵がなんで毎ターン回復しているのかも分からないので(多分無条件)、こちらは何の対策も打ちようがない。例えば仲間が半壊状態になって復活や回復に専念していると敵がモリモリと自動回復していくのだ。意味が分からない。そもそも敵がHP回復するのは無駄に戦闘時間を延ばすだけだし何より不快感とストレスが凄い。最初から敵のHP量を増やしておくのではダメだったのか?
誰向けなのかよく分からない難易度設定
いわゆるイージー、ノーマル、ハードがある。しかしこの難易度設計が雑。
ハードは敵が強くなってかつ取得経験値とお金が減るが、取得経験値を減らす意味はなんだったんだ?
ドラクエというシリーズは基本的に「敵に勝てなかったら、レベルを上げて再戦する」というコンセプト(のはず)なので、敵を倒せなかったらまずはレベル上げをすることになる(耐性装備もゴミだから尚更)。なのに取得経験値が減るというのはただただ苦行になるだけだ。敵が強くなるなら経験値はそのままでも十分か、あるいは取得量が多くなっても良いくらいではと思う。レベル上げ中はフレキシブルに難易度下げようねって感じなのだろうか。そうならそう書いてほしかったというか、それならDQ10のようにボス戦でだけ難易度選ばせてくれれば良いのだが……。
一方でイージーのほうは、敵のHP自動回復が無効化され、こちらの与ダメが2割増しくらいになり、味方が全員死ななくなる(HP1で無限に耐える+ザキ系無効化)。これはこれで甘やかしすぎてて意味が分からなかった。若年層にもプレイしてもらう意図があるのかもしれないが、それにしたってそこまで甘やかさなくても。かけっこは全員おてて繋いでゴールって感じ?
ちなみにイージーモードにしたところで、詰む場合は詰む。敵の自己回復や仲間呼びの量以上にこちらがダメージを出せない場合は永遠に勝てないが、イージーは味方が死ねない=全滅出来ないので、バトルを終えられない。バトルにギブアップはなく、ボス戦では逃げるもできないので、マジでリセットしないといけない。ころ……して……。
まあ良いのか悪いのかはさておき、レベル上げ中は難易度をイージーに設定して、味方全員を「ガンガンいこうぜ」にしてオートバトル状態で延々とレベル上げする、ということが出来たのは個人的に面白かった。回復行動を度外視して全力で敵をぶん殴る様をずっと見られるのは気持ちが良いものだ。あ、褒めてはいないです。
没個性となった転職仕様
今作は「転職後も全ての呪文と特技が覚えたままで居られる!」という仕様で、ちょっとワクワクしたんだけど、これは最終的に勇者以外の全キャラが全部の呪文と特技を覚えられることになるので、仲間全員の個性なんてほぼ何もない状態になる。一番強い攻撃は(おそらく)「まものよび」と「イオナズン」なので、最後は全員でそれを連打するだけという面白みのない絵面になる。
何よりも魔法使いと僧侶が余りにも不遇。賢者は魔法使いと僧侶の全ての呪文が覚えられるという職業だが、職業ごとの専用呪文や専用特技というものは存在しないし、魔法使いと僧侶でしか覚えられない特技も何もなかったので、結果として今回のDQ3では魔法使いと僧侶に転職する必要性が皆無になってしまった。初期専用職に成り下がった。あまりにも不遇が過ぎる。初めてダーマ神殿に着いてさとりの書を使うか遊び人が賢者になったらもう魔法使いも僧侶も要らない。こんなバランスにはしてほしくなかったなあ……。
また、便利スキルである「ツッコミ」、「魔力かくせい」、「ハッスルダンス」が遊び人での習得に設定されているのもなんだか嫌らしい。遊び人に個性を持たせたかったのかもしれないが、習得できる強い特技をぶら下げただけって感じがして非常に雑。遊び行動もせめてDQ10の遊び人くらい面白みのある職業にしてほしかった。
かしこさのステータスもあまり活かされてない。呪文の威力が増えるとあるが、かしこさの違いであんまり大きく変わった感じはしない。回復もそれは同様で、ベホマラー、ハッスルダンス、けんじゃのいしは誰が使ってもほぼ同じ回復量なので、まあ個性なんてない。そりゃあ僧侶も不要な時代になっちゃうのだわ。
というか職業周りは全体的にもっとDQ10オンラインの良かった点を取り入れてほしかったと思う点が多すぎる。あんまり比べたくはないんだけど、DQ10は長いこと運営されているだけあってよく洗練されていたんだなと、今回のDQ3をプレイして感じた。
DQ10は、呪文や特技は職業(と武器)ごとに専用なので個性が出ているし、かしこさも攻撃魔力と回復魔力に分かれているから魔法使いと僧侶の呪文の威力や回復量にも明確に差が生まれるようになっている。同シリーズで先人が解決している策を再利用しないというのはなんでなんだ……ということを、DQ11のAIがゴミクズで使えなかった時にも同じことを思った。まあ流石に「眠ってない敵にヒュプノスハント(眠り特効スキル)を使う」ようなことはしなかったので安心したが(DQ11のAIはそんなレベルだった)。
話を戻すと、結局のところ単体火力でいうとまもの使いで覚える「まものよび」が最強なので(しかもステータス依存がない)、仲間を全員「ガンガンいこうぜ」にしてまものよびだけ使ってもらい、勇者はヒーラー(ベホマズンかけんじゃのいし)に徹する、というのが最終的な最適解になってしまった。
先に述べたようにベホマラーやけんじゃのいしは回復量がほぼ固定で、しかも全体80くらいしか回復しないので、ボスの猛攻には耐えられない。そうなると毎ターンベホマラーするのは消費する手数的にも最適ではなく、結果としては回復はほぼせずに「次のターン攻撃されたら誰か死ぬかも」ってところまで減ったら1発ベホマズンを入れる、というのが最適解となる。うーん、なんか勇者っぽくない……。
追加ダンジョン「試練の神殿」
SFC版にもなかった、今作で新規追加されたダンジョン。エンドコンテンツ……なのか? とにかく全ての要素の意地が悪い。プレイヤーを気持ち良くさせる気が感じられない。クリアしてもなんの気持ちよさもなかった。
「装備品やアイテムを○個持ってきてくれ」ってのは、どこの街に何を売っているのかなんて覚えてないし世界地図にも表示されないんだから、結局全ての街を何度も回らされることになった(提示されたものの価値からなんとなくどこの街で売ってそうかの推測は出来たが)。エルフののみぐすりは単価が高すぎて、バトルロードのクリア報酬で得た有り金全部持っていかれた。別にいいけどさあ……。
武器縛りというコンテンツは一瞬ちょっと面白いなと思ったけど、指定された武器を付けてないキャラは与ダメ1/10かつ被ダメ10倍というのは流石にやりすぎではと思った。このためにうちの賢者ちゃんは転職をしなければならず、そうなるとまたレベル上げしなくちゃならなくて、めちゃくちゃに面倒臭かった。「かばう」や「におうだち」で被弾を避ければゴリ押し出来るけど、それも限界があるんですよ。敵が1ターンに10回以上行動するんだから。
そして最悪なのがパンドラボックスとかいう中ボス。このゲームの全ての悪を煮詰めたゴミ箱である。
2体出現してきて各3回行動をし、毎ターン自動HP回復、めいそうでの自己HP回復もする、状態異常耐性持ち、無限に仲間呼びをする、ザラキ連発、マホトラでMPも回復してくる。呼ばれて出てきた敵も2回行動とかしてきて、バイキルトやルカナンを使ってくるし全体攻撃や痛恨の一撃を連発してくる。
2体倒したら今度は後半戦で4体で登場し、マホカンタまで使うようになる。そして最後の1体になるとメガザルダンスをして全員復活させてくる。
多分こいつは、ドラクエが大嫌いな人がプレイヤーをドラクエ嫌いにさせるために設計した敵なんだと思う。
あまりにも理不尽過ぎて、Lv99にしても勝てないので、DL販売で買ったDQ3をアンインストールするボタンにうっかり手を掛けたが、ギリギリで踏みとどまってTwitterでクソゲーだとぼやいていたらリプライで「バシルーラが効くよ」という情報をいただいた。バシルーラ?????? そんな呪文DQ3で一度も使ったことがないし、ギミックとしてこれまでそんなの一度もなかったからヒントも何もなく脈絡もない。SNS時代なんだからSNS使って解決してね~みたいなのもめちゃくちゃ面白くない。自分はゲームと対話してるんであって赤の他人とゲームしてるわけではないんだが。そして何よりも、これまで育成してきた自分の仲間の能力が何も活かされない戦略で勝つとかいう、エンドコンテンツとしての面白さの欠片もないのが、本当に下らない。更に別の武器縛りした上で2回も戦わされるという地獄。
この試練の神殿だけでDQ3の評価が地に落ちた。我々がこんなに長く育成してきたパーティーを使ってやらされるバトルがこんな下らないギミックで消化されて、面白いと思えというのが難しい。勝ったときの達成感はなく、ただ空しさだけが残った。
なおこの神殿の大ボスは、しんりゅうと同じ戦略でほぼ何の苦もなく勝ててしまったので、それもあんまり面白くなかった。とはいえ、ここまで書いたこのバトルバランスでは、これ以上変なことをやろうとすると理不尽しかプラス出来ないのではと思うので仕方がないのかもだが……。
総じて、今回のDQ3はバトルバランス作りが本当に最悪だった。 「雑魚敵にも2回行動させれば面白くなるでしょw」みたいな安直な作りが本当に面白くないし、他も全然ハマっていない。最後まで理不尽さを煮詰めたようなバランスだった。バトルが楽しかったのはアリアハンのフィールドにいたときだけだったかもしれない。
DQ1・2ではバトル周りを解消してくれないと不安しかない。今の段階では、あの最後の大神官周り以外に期待している部分は何もないと言えてしまう。
コレクション要素という苦行
ちいさなメダルとはぐれモンスター集めが、ただただ苦行だった。自分は意地になって攻略サイトを一切使わずに全て集めきったが、二度とやりたくはない。せめて自分がどこのマップを踏破済みかどうかが分かるだけでも全然違ったと思う。とにかくヒントが少なすぎる。いちいち全てのマップに入って「とうぞくのはな」と「やせいのかん」をしないといけないのはひたすらに面倒くさかった。
あと、何の脈絡もなく足下に落ちているちいさなメダルが多すぎる。噴水の正面に落ちているならまだかわいいもんで、何の変哲もない地面の上に落ちてたりするのは、そんなの知るかよって感じだった。レミラーマを活かすためなんだろうけど、レミラーマを活かすことにだけ注力されすぎててプレイヤーが全く気持ち良くなれない。とうぞくのはなでまだ後1個あるよと出た場合は、数歩歩くごとにレミラーマをして歩かなければならなかったが、開発者は我々にそんな苦行を楽しんでほしかったということなのだろうか。ドラクエへの信心が足りなくてすまない。
ちなみに、はぐれモンスターを捕まえるときにレムオルやにおいぶくろを使わないと逃げられるよ的なギミックがあったのは、割と好きだった。レムオルがエジンベア入場専用呪文じゃなくなった!
ゴールド稼ぎ要素のバトルロード
こちら側のメタルスライムとはぐれメタルが無双するだけのコンテンツだった。そりゃそうなるわ。
なお、お金は100万ゴールド以上持てないらしく、最終ランククリア時に大量にゴールドを貰ったが、持ちきれないお金は捨てられてしまった。そんなことある???
個人的には、めいれいさせろを使わないオートバトルの練習台としては良かったんじゃないかと思っている。お金稼ぎ要素としても悪くなかった。
池ポチャ倉庫番
流石にもう「倉庫番」は通じないのでは? 岩を運ぶパズルのこと。自分は得意な自負があるけど普通に難しかったから、他の人にはもっと難しかったんじゃないかと思う。
ただ、それに加えて、岩を押しすぎると池ポチャするというのがかなりストレスだった。ただの壁じゃダメだったのだろうか。急に繊細な操作を求められたのが割と苦痛だった。
その他、好きになれなかったところ
- ルーラ詠唱後の飛び始めの演出が長すぎる。もっとちゃっちゃか飛んでくれ。
- ラーミアで飛んでいるとき、風を切るようなSEがずっと鳴ってるのが邪魔というか解釈不一致すぎる。ラーミアはもっと優雅で神々しいイメージを持っていたので、聖剣伝説のフラミーのように風を切って飛ぶような身近さはあんまり求めていなかったなあと思った。もっと「おおぞらをとぶ」をじっくりと聴かせて欲しかった。
- 教会の「おつげをきく」はもう消して良かったのでは? つよさ画面で次のレベルまでの残りEXP見れるんだから、伝統とはいえもう要らないでしょう。DQ10にもないし。DQ11にはあったっぽいけど。
- 見た目を男性・女性ではなくルックスA・ルックスBという呼称に変えたのは今の風潮に合わせてだと思うので良いと思うけど、ドレスやローブとかの説明文に「女性専用」とか書いてあってルックスBしか装備出来ないのは、一貫性がなさ過ぎる。じゃあそれらも「ルックスB専用」とか書けば良いじゃん。なんか配慮が中途半端すぎる。誰の何に配慮したんだ?
- エンディングでロトのテーマ(序曲)が演奏されるときに兵士達がトランペットを構えて演奏するけど、実際はホルンの音では……? まあ見栄え的にトランペットのほうが良いのは理解するのだけど……。
まとめ
今のこの時代に各プラットフォーム向けにDQ3をリメイクしたという功績は素晴らしいことなのだが、一方でバトルバランスが最悪だったのが足を引っ張っている。バトルがずっとストレスだったので、そこが次回のDQ1・2で改善されることを願うばかりでございました。
2024.11.25 (Mon)
■ [Game] 令和に蘇った最高のJRPG、ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブン
プレイ時間120時間超。4周目にして最高難易度である難易度ロマンシングをクリアした。そろそろ、この体験を日記として整理しても良いよね。
先に総評を書いていくと以下の感じです。
- システム:5
- バトル体験:7兆点
- サウンド:4
- シナリオ:3
- キャラデザ:7兆点
- グラフィック:4
- 総合:7兆点
8年ぶりのロマサガ2(自分語り)
SFC版ロマサガ2を触れたことがなかったので(サガはSFC版ロマサガ3でデビュー)、2016年に発売されたリマスター版で初めてロマサガ2というものに触れることになった(PS Vitaでプレイ)。ガラケー版で追加されたという忍者クラスに惹かれて触れたのは言うまでもない。
当時はほとんど何も知らずにプレイして、ラストバトルまではなんとか到達できたものの、クイックタイムなど主要な術や見切りを習得できておらず、LPも全然足りなくなっていたので詰んでしまい、そこでプレイを投げ出してしまった。なんやねん7回行動って。「七」英雄だからってそれはズルやんけ。
そういう意味でも、今回のロマサガ2Rは自分にとってもリベンジになる作品であると思って、発売をわくわくと待ち望んでいた。先行して出ていた引き継ぎ対応体験版すらもわざわざスルーしての楽しみっぷり。期待値を上げすぎているかもな……とは思っていたものの、いざ蓋を開けてみれば期待を何倍も上回るリメイクをお出しされてひっくり返ってしまった。
マスクデータと戦っていた旧ロマサガ2
元々ロマサガ2は最高のRPGだったと言っても過言ではない。
フリーシナリオによってどういった順番に攻略をしても良いし、選択肢によってはお話が変わったりキャラが仲間にならなかったりするなど、クエスト体験の意味でも楽しみの幅が広い。周回するたびに新しい発見があるのだ。
これは聖剣3やクロノトリガーにも感じていたところがあって、当時のスクウェアのSFCのゲームでは割とこういう遊びが醍醐味になっていた気がする。1回のプレイをそんなに長くせず、何度も噛んで味わわせるというスルメっぽい感じ。
またバトルも特徴的で、技や術は「閃いて」習得するのが基本。技を習得できるかどうかは「運」なのだ。ただその運もある程度コントロール出来るようになっていて、技ごとにどのキャラが閃きやすいとかどの敵だと閃きやすいとか、そういう傾向が設定されている。プレイするたびに「今回この技はこのキャラが閃いたか~」などという物語がプレイヤーに勝手に生まれるのは良い体験だ。
そういった色んな要素をアレコレ試しながらプレイするのは面白い反面、マスクデータと戦うのはとても根性が要る。
マスクされた隠しデータがあまりにも多すぎるため、当時のプレイヤーの間では攻略本が必携アイテムになっていたところはある(と当時の友人が語っていた記憶がある)。かく言う自分も、ゲームにおけるマスクデータというものが本当に嫌い。ポケモンの個体値や努力値などという値が嫌いだし(今は見えるんだっけ?)、艦これでルート分岐されるデータがマスクされてるのも嫌い(最初はそんなものさえ知らなくて毎回同じルートを辿ることにキレてた)。
データがマスクされてしまうと何が変数なのかも分からないので「開発者の心を読みながらプレイする」みたいな感じになる。自分はゲームがしたいのであって開発者の心なんてどうでもいいのだが……。
自分にとってゲームというものは、まずルールとしてオープンにされたデータやランダム発生するデータを提示して貰い、それらを読みながら状況に応じて最善な手を打ってメタっていく遊びであると思っている。
しかしそういった判断を行うのに必要なデータがマスクされていて自分で探してねとされるのは、結構な労力を要求される。原作ロマサガ2もそういうところが多々あり、結局のところ、とっつきやすさで言えば「人を選ぶ」と評するしかなかったと思う。合う人にとっては間違いなく最高のRPGだが、合わない人にはとことん無理。疲れるもん。
そんなロマサガ2が、この令和に最高の形でリメイクされてしまった。
(ほぼ)すべてのマスクデータが可視化されたロマサガ2R
今回のリメイク版(以下、ロマサガ2R)では、原作でマスクされていたデータは大半が可視化された。
- 今どの技を使っていれば技を閃く可能性があるのかの表示
- 敵がいつどんな行動してくるのかをある程度読めるように表示
- 敵にはどんな弱点があるのかの数を開示
マスクされた情報がオープンされた結果、バトルで言えばほぼオクトパストラベラーを踏襲したような仕様に仕上がっていたのが面白い。弱点探しをしつつ、「次のターンの行動順がこれなら、先に行動するキャラで敵をスタンさせて、それからゆっくりと弱点を突いて大技をたたき込もう」などという戦略を組んだりできるので、思い通りに敵を完封できると大変気持ちが良い。ターン制だからじっくり考えられるのも良い。ゲーム性ががらりと変わっているが、今の時代はこれでいいんですよ。古いままを味わいたければリマスター版をやれば良い。リマスター版は現在も多数の機種向けに配信中です。
またシナリオでも、クエストの誘導が非常にスムーズになった。何かイベントが発生する可能性のある場所には「!」や「?」などのアイコンが付くようになって誘導されるようになった。マップのファストトラベルも相まって、ゲームのテンポが非常に良い。
フリーシナリオの意義が薄れていると思われるかもしれないが、どういう順番で攻略するかという楽しみはしっかり残っている。アイコンに誘導されるがままに進んだのでは見られないようなシナリオもちゃんとすべて残っている。そういうのは慣れた頃の2周目にでもやってもらえれば良いってこと。1度はカンバーランドを滅ぼしてみてね楽しいから。
一方、年代ジャンプに関する仕組みは結局開示されなかったが、これは開示されなくてもプレイングに大きな支障がないのと、まあプレイしているとなんとなく気付く部分でもあるので開示されなかったのかなと思う。というか数値で見せられるとなんか楽しみも減る気がする。ここは良い判断だと思う。
システムとグラフィックの令和ナイズ
シナリオやプレイテンポはほぼそのままに、ゲームシステムやグラフィックが今風にアップデートされたのがとても良い。お金やアイテムは常に全て持ち歩くようになったとか、最終皇帝世代では技と術をすべて常時継承可能になるとか、アビリティシステムの導入とか。
特に連携システムは、必殺技感があってとても気持ちが良い。概ねロマサガRSからの逆輸入のような形。弱点を攻撃したときに溜まるオーバードライブゲージを消費して撃つ奥義のようなものだが、BPも消費せずに撃てるしダメージも倍なので、いつ連携を放つかを常に意識した戦略に仕上がってるのがとても印象的だった。オーバードライブゲージを戦闘後も引き継ぎ可能な仕様にした人は天才だと思う。
言うまでもなくグラフィックも今風になった。とはいえ、天下のFF16のようなリアル寄りではないし、原神やグラブルリリンクのようなアニメ寄りでもない、品質としてはPS4の頃のようなやや中途半端なグラフィックのクオリティではある。
ただそれでも、凝りすぎないグラフィックにしたお陰でこれだけロード時間が短縮されていたり(Switch版は遅いらしいがPS5版は爆速)、演出をカット出来ていたりと、このグラフィックにしたお陰でこのテンポの良さが表現出来ているならば、それで良かろうと思うのだ。ロマサガ2はこれくらいのグラフィックで十分だという判断はまさに英断だと思う。
キャラのモーションや演出なども淡泊。そもそも原作が結構淡泊というか、もの凄く短いテキストで色々と行間を読ませるようなスタイルなので、モーションもそれに沿ったものにしか出来ないというのはあるが、それでも最大限表現してプレイ体験を盛り上げていたと、自分は感じている。ロマサガ2の味を失わない良い塩梅だった。
キャラクターデザインについては、聖剣3ToMでもキャラデザを担当したあんべ氏が原作を踏襲しつつリファインした。いやこれがまた最高だった。
まさか全クラス全キャラクターに顔グラフィックを用意するとは、控えめに言っても頭が悪い(褒めてる)。あんべ氏自身が原作の大ファンのようなのでロマサガ2に対する解像度がもの凄く高い。お陰で非常に良いイラストが量産されていたのが印象的だった。
特にシティシーフ女、帝国軽装歩兵女、海女、イーリスあたりは本当に素晴らしいリファインで、男性キャラもホーリーオーダー男やフリーファイター男、帝国軽装歩兵男あたりがきちんとイケメンで素晴らしい。最終皇帝もどちらも解釈が完璧で、今の時代に相応しいデザインであったと思う。
原作の小林氏のデザインも勿論素晴らしかったのだが、それをリファインしてこうして令和ナイズしたのは本当に褒めるしかない。なんも言うことはない。キャラデザがマジで7兆点です。ロマサガ2Rを牽引したMVPであることは間違いない。
難易度制の導入による妙技
ロマサガ2Rでは難易度が設定出来るようになっており、以下の5種類が選択出来る。
- カジュアル
- ノーマル
- オリジナル
- ベリーハード(※)
- ロマンシング(※)
難易度はいつでも上げ下げ出来るが、※印の難易度は下げたら戻せない仕様。なお※印の難易度は裏ボスクリア後に解放される。
結局のところ、色んな情報が開示されていてもこのゲームは難しい。敵は殴っていれば死ぬが、敵が死ぬまでにこちらも死ぬ。序盤のボスの電撃一発でパーティーが壊滅するなんてザラだ。
ロマサガ2においては敵の攻撃が単に痛いのに加え、状態異常(デバフ)が猛威を振るうので、適当に大技ぶち込んでいるだけでは割とパーティーが壊滅する。きちんと見切りを付けて致命傷を避けられるようにしたり、状態異常の耐性装備を付けたりしないと結構攻略が大変なゲームだ。盾も強いので盾も大事。
それが楽しいんだよという自分みたいなマゾユーザーは勝手に難易度を上げ続ければ良いが、そうではなくて取り敢えずやってみようという人のためにカジュアルな難易度を用意しているのは非常に巧いなと思った。自分もクリア出来なかった記憶が染み付いてて怖いので最初はノーマルでやりました。
「ロマサガ2に難易度設定なんて要るか?」みたいな議論はあるかもしれないが、自分は桜井さんがYouTubeで言ってる方針に完全同意なのでそっちを見てください。
満点だがもうちょっと攻めても良かったサウンド
個人的にBGMはもうちょっと攻めても良かったのかなと思う。もちろん、帝国を華やかに彩るサウンドとしてフルオーケストラが合うのは間違いないのだが、一方でDESTINY 8(公式ロックバンド)の熱いギターサウンドがもっと聴きたいという思いもせめぎ合う。なので安牌を選んだな~という感想ではある。100点満点中100点であるのは間違いない。
オプションで旧BGMと切り替え可能にしたという仕様に引っ張られているような気もちょっと感じた。個人的にはこういうリメイク作品で旧BGMと切り替える機能は要らんと思っているので、そういう制約に引っ張られて必要な曲数が増やせなかったのであればそんなもんやめちまえと思う過激派である。
なおSEはパーフェクトです。特に連携のSEは気持ち良すぎて最高。各技のSEも最高でした。
七英雄のバックボーン掘り下げ
ロマサガ2は舞台化しており、そこで七英雄のエピソードの掘り下げがあった、らしい。自分は観てないので内容は知らないが。
ロマサガ2Rではそのあたりの追加エピソードが作中に盛り込まれており、隠し部屋などに置いてある装置で閲覧出来るようになっている。原作では七英雄が何者なのかよく分からなかったから、知れること自体は悪いことではなかったと思う。
ただ、見せ方が良かったとはあまり思えなかった。
例えばクジンシーを倒すためにソーモンの屋敷を攻略している最中に、そこで全然関係ないワグナスのエピソードを突然見せられて「……??」となった。トータルで15個ほどにエピソードが分割されていて色んなダンジョンで見せられるが、だいたいそんな感じで脈絡もなくお話を読まさせられるのが、若干興醒めだった。また、このエピソードを見終えると毎回マップ内の敵がすべてリポップするのも、ストレスの一因だった。
素直に良い印象がない。見せるにしたってもうちょっとどうにかならんかったのかなと思う。結局七英雄のバックボーンに興味が湧かなかったので、個人的には要らなかったなという感想になってしまっている。
難易度ロマンシングへの挑戦記録
……と、ここまでレビューのような書き方をしてしまったけど、本当に今作が気に入ってしまって、最終的には4周もプレイしてしまった。自分はライトゲーマーを自称しているのだけど、まさかトロフィーもない最高難易度をやるほどにハマるとは思いもしなかった。どハマりしてて草。
1周目の難易度ノーマルから始まり、周回するごとに難易度を上げていって、4周目にして難易度ロマンシング(最高難易度)に手を付けた。というのも、3周目に触ったベリーハードが思いのほか楽チンだったので「これはロマンシングも行けるのでは?」と調子に乗ってしまった。これが地獄の始まりである。
4周目ともなるとステータスや装備はほぼカンスト近くになっているので、それ以上成長の余地がない状態で全ての戦いに挑まなければならない。つまり「レベルを上げて物理で殴る」が出来ない世界となっている。
するとどうなるかと言うと、雑魚戦でも必死の戦いになる。術士系のキャラは雑魚の攻撃でも普通に一撃で死ぬので、全ての戦闘で本気にならなければならない。しっかりと陣形を考え、付けるアビリティを練り、行動順を見てデバフで行動妨害しつつ、最高の攻撃を毎度たたき込み、連携も惜しみなく使っていく。たぶんこの難易度ロマンシングこそが、ロマサガ2の真の姿なのかもしれない。
しかし、あまりにも難易度が高くて最初は挫折しそうになった。というか、普通にすべての戦闘を本気でやらないといけないのはメンタル的に疲れる。最初のクジンシーを倒したあたりで「これは……モチベーションが長持ちしなさそうだな……。どうしようかな……」と思っていた。
そこでモチベ維持のために、何をとち狂ったのか1001年のクジンシー直後に最終皇帝にするというプレイを始めてしまった。
いや、だって、ちょっと聞いてくださいよ。
今回の最終皇帝女がデザイン的にめちゃくちゃ好みだったというのと、公式ガイドブックに最終皇帝の素敵なイラストが載ってたのと、ガイドブックの皇帝継承のところを読んでたら「その時点で仲間になっている全キャラが1度皇帝になっている状態で皇帝継承が発生した場合は、最終皇帝が登場する」って条件を見つけてしまい、「えっ、そんなこと出来るの!?!?」と興味が湧いてしまったんですよ。一度出た興味を……止められなかった……。
その時点で仲間になっている全キャラを丁寧に地下水道送りにして殺しまくり、かくして、「1001年最終皇帝での難易度ロマンシング攻略」が始まった。
しかしこれがまた地獄に拍車を掛けたのであった。1001年の時点で最終皇帝になるということは、もうこれ以上の年代ジャンプが発生しないということ。それはつまり以下の制約が生まれることになる。
- 年代ジャンプ必須なキャラが仲間に出来ない:踊り子、モール、ネレイド、サラマンダー、陰陽師、海女
- コッペリアも完成しないので仲間に出来ない
- 帝国大学Lv4にするまで技道場で技継承が使えない
- 火山噴火をさせられないので、冥術が入手できない
- アバロンの樹が成長しないので、合成術「光の壁」が入手できない
- 皇帝の代替わりが起こらないので、皇帝のLPが減ってしまったらアイテム「生命力回復」でしかLPを戻せない
難易度ロマンシングに初挑戦するのと一緒にやるもんじゃないんだわ。なんでやったの? そらもう、最終皇帝女がえっちすぎるからよ。
序盤~中盤はとにかく、誰かが技を閃いてもその技を他のキャラには付けられないので、各キャラごとに技を閃かないといけないのがめちゃくちゃ面倒臭かった。十文字斬りを必死に全員に閃かせたりしたし、あるいは技の枠が足りなくなって消した技が(技道場に登録されないので)もう何度もまた閃いてめちゃくちゃノイズだったりした。不便すぎるからさっさと大学Lv4を目指そうと思って、七英雄と戦わずに解放出来る地域をまず片っ端から攻略していくプレイとなった。
攻略を進めていくと更に敵の攻撃が痛くなってきたので「光の壁」が欲しくなるのだが、それもこのプレイでは入手出来ないということが、後から調べて分かった。おいおいなんでこんなマゾプレイをしているんだよ。そらもう最終皇帝女が(ry
とはいえ、ボスごとにちゃんと対策を打っていけばなんとかなるということも分かった。だいたいは「炎の壁」と「ソードバリア」で無力化し、あとはアビリティの「オートパリィ」と「装備性能強化」と「サヴァイブ」を持たせたタンク役(皇帝)でゴリ押して攻略を進められることが出来た。単純な火力が辛くて苦戦したのはクィーン戦くらいで、その他の七英雄戦はさほど苦労せずに攻略できた。黒竜もなんのその。
問題は、やはり最後のラスボス戦である。
「光の壁」が使えない制約が厳しくて、つまるところゴリ押しが利かない。きちんと綿密な戦略を組み立てる必要があった。まずはラスボス側の行動を1つずつメモして、それからそれぞれの攻撃に対する対策をメモして……。
殴り書きの手書き版 pic.twitter.com/iYXqtdorca
— だいじん (@daijin) November 23, 2024
結局手書きで整理していった。ここまで真剣にメモって攻略考えるなんてFF14でもやったことない(極蛮神までしかプレイしないからだろうけど)。でも「光の壁」なしでも難易度ロマンシングを勝てたという話を聞いて勇気をもらい、しっかりと対策を立てていった。
そんなこんなの試行錯誤を経て、見切りや装備を集め、何度も挑んでは負けてを繰り返し、最終的にはラスボスを撃破! これにて難易度ロマンシングは終了ですお疲れさまでした!
嬉しすぎて動画も撮った。今見返しても手に汗握る熱い戦いだった。達成感と自己肯定感がヤバい。
1001年最終皇帝で「七英雄との戦いにピリオドを打つ!」というのをロマンシングで見られたのがたまらなく嬉しい。
なお裏ボスは攻略は一旦やめました。流石に「光の壁」なしで倒せる気がしない。一応裏ボスまでは会いに行ってボスの行動のメモは取ったのだが、いやーこれは「光の壁」なしでの勝ち筋見えませんね厳しい。時には諦めも肝要だと思います。
総合:令和最強JRPGの一角
2020年に発売された聖剣3ToMは最高のリメイク作品だったと評したのだが、これと同じ開発であるスクエニ+Xeenが開発したロマサガ2Rがまた最高のリメイク作品としてお出しされてしまった。ありがとう、スクウェア・エニックス……。
このタッグで作るロマサガ3やサガフロ2が見てみたい! と思ってしまうのは自然なことだと思う。
リメイク作品である以上、リメイク前の原作との比較を中心に語ってしまったけど、しかしこれは原作をやっていない人にこそお勧めしたいと素直に感じた。いまから原作をやるのは間違いなくただのマゾヒストだが、しかしこの令和にはロマンシングサガ2 リベンジオブザセブンが存在する! これは間違いなくアド。今の時代に合わせて令和ナイズされたロマサガ2に初見で触れることが出来るなんて、なんて幸せな時代なんだ。
SFC時代から数えて31年。数多くの先帝たち(プレイヤーたち)の思いを継承したこのロマサガ2Rは、間違いなく今年一番、いや令和で一番のJRPG体験が得られる一作でございました。
余談:難易度ロマンシング用ラスボス攻略メモ
自分用の攻略メモを整理したので折角なのでこちらに貼っておきます。誰かの助けになると嬉しい。