前作「Zephyr Violin」に引き続き、TAM氏による全曲フルバイオリンアルバムとなっています。
今回は「夏の空」をテーマに7つの楽曲を集めました。どうぞお楽しみ下さい。

出展:planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜「Gentle Jena」
夏というとなぜだかプラネタリウムを連想します。小さい頃よく親に連れられて、近くのデパートにあるちっさなプラネタリウムを見にいきました。あの鉄アレイ型のプラネタリウムですね。何か示し合わせていたわけではないと思うのですが、それを見に行くのは決まって夏だったように覚えています。
それから十数年後。この作品に出会ってまたプラネタリウムへ行きました。それもまた、夏の暑い日。前に連れられて行っていたデパートにはプラネタリウムもなく、別の施設で見ました。半球型のプラネタリウムですが、迫力や感動は変わらなかったですねえ。
そんな懐かしさを込めて、今回のZephyr Violinを開演します。
出展:AngelBeats!「My Soul, Your Beats!」
今回のCDのボス曲(目玉タイトル)にあたります! もしかしたら初めてかも? というほど、流行に乗ってみました。これもKey作品ですからね。天使ちゃんマジ天使。
アレンジといっても大幅に曲調を変えているということはないです。いつも通りといえばいつも通り、ドラムとギターをがっつりと打ち替えました。原曲は歪みギターも入っているのですがそれも取っ払い。TAMさんの音に合うよう、ピアノとアコギを中心にまとめあげています。そして大きく変えたのは、間奏部分。一番のお気に入りはこの間奏以降になります。バイオリンソロとドラム、ギターで最後まで疾走していきます。
伸びやかな音色を、ご堪能下さい!
出展:FINAL FANTASY 5「新しき世界」
当サイトでも公開中であり、アルバム「Bifrost」にも収録したアレンジですが、今回更に微調整を加えて「Violization」になりました。まあ造語です。意味は推して知るべし。変更点は生演奏バイオリンの他に、パーカッションパートの追加、ベースの追加、アコースティックギターの変更、笛の変更、リマスタリングです。バージョン的に言えばver1.5と言ったところです。
原曲のリズムを完全に解体して、3拍子のアレンジとなっています。パーカッションと弦による耳に残りやすいリズムが特徴で、当サイトでも試聴回数の多い部類に入る曲です。元よりバイオリンの打ち込みで情熱的なメロディを奏でていましたが、TAMさんの演奏によりまたひと味違ったテイストに仕上がりました。
出展:Kanon「風を待った日」
TAMUSICさんの「Kanonバイオリン」収録曲。柔らかいピアノの音がただただ流れていくだけの曲ですが、原曲の雰囲気をそのままにして、パーカッションやドラムを足し、その上にバイオリンの演奏を乗せてもらいました。後半に進むにつれ徐々に盛り上がりを見せ、ドラムやベースが入っていって、最後は一気に静まりかえります。
イメージとしては、ゆったりと空を流れていく真っ白な雲たち……といったところでしょうか。とはいえ、原作のゲームは思いっきり冬がテーマの作品で、これを聞いていてもやっぱり冬の雪景色が脳裏に浮かんだりもするのですが、夏に聞くというのもまた乙なものではないでしょうか。
出展:CHRONO TRIGGER「時の回廊」
今回も入れてしまいました、クロノトリガー。しかしどうしてもこの曲ばかりは、ずっとアレンジ出来ずにいました。というのもすでに巷にはこの曲の素敵なアレンジが沢山出回っているし、そのどれもが私の目指していた曲をしっかりやってくれていて、自分の出番などないだろうとしか思えなかったからです。他の方のアレンジを聞いていればそれで満足。
それでも今回このアレンジをやろうと思ったのは他でもなく、TAMさんによる演奏でこの曲を聴いてみたかったからです。何よりも、自分自身が。所詮アレンジなんてそんなもので、やっぱり一番楽しみたいのは私自身なんですよね。この曲は正にそれが前面に押し出された選曲でした。
またギターの新音源を購入したこともあり、ようやく苦もなくアレンジすることが出来ました。また別バージョンも作ってみたいですね、時の回廊。
出展:聖剣伝説2「天使の怖れ」「予感」
「せれ缶」こと「せれ缶 -Celestia Conference-」収録曲。更に言うと元はproject-Deltaから出した「SANCTUARY OF MANA」に収録されたのが最初です。当初のバージョンではsaoriさんによるボーカルと詩が付いていたのですが、今回のバージョンは全編バイオリンによるものです。
いつものお得意の、複数曲を混ぜ合わせるアレンジをしています。今回は前奏・後奏に「予感」のメロディを入れていますが、何気なく入るので意識していないと聞き逃してしまうところかもしれません。ドラムや多くのパーカッションによって表現される静と動を兼ね備えた、ミステリアスですが激しさもあるアレンジに仕上がっています。
出展:Kanon「風の辿り着く場所」
TAMUSICさんの「Kanonバイオリン」収録曲。元は同ゲームのエンディング曲にあたる、テンポの良い四つ打ちの楽曲なのですが、このアレンジではがらりと変えて、ゆったりしながらもしっかりと歌えるアレンジに変えています。あ、ボーカルは付いてませんよ。ピアノ、ギター、パーカッションによる柔らかな出だしに始まり、最後はベースやドラムも交えてしっとりと締めました。
後にも先にもこれだけTAMさんの音を同時に鳴らしているのはこの作品が最高だと思います。多重録音をしているのはこの曲に限ったことではありませんが、最後のサビで5音も鳴っているバイオリンにはやはり込み上げてくるモノがあります。
TAMさんの素敵な演奏をお楽しみいただき、このCDの締めとします。