2004.10.25 (Mon)
■ ……はっ、今日は書くことが無い。
■ [心理学][音楽] ゼミでの発表について
そういえば此れを書こうと思っていたのを思い出しました。書く内容が無いなら丁度良いので書いてしまおう。
後期のゼミで発表する論文。和歌山大学教育学部の論文を纏めることにしました。「計算課題の遂行に及ぼすBGMの影響について」というものです。4桁÷2桁の計算をしてもらい、そこに気分が高揚する曲、抑鬱になる曲、そして曲を流さないという試行を行いどれだけ結果に差が出るかという実験です。取り敢えず卒論もBGM関係にしようかなあなどと企んでいるので此れを選ばせてもらいました。因みに今の音楽心理学で、このことについて明確な結果は得られていません。BGMが作業を妨害するだとか促進するだとか、どっちの説も論もあるので。
まあ途中経過など述べても仕方ないので省きますが、高揚的音楽はヘンデル「シンフォニア 変ロ長調 シバの女王の入城」、抑鬱的音楽にはアルビノーニ「弦楽とオルガンのためのアダージョ ト短調」。どちらも聞いたことがある人は居なかったそうで、ていうか自分もこんな曲知りません。音楽心理の実験ではまだまだクラシックを使うのが主流なのです。
さてまあ結果ですが、実際のところ課題の遂行結果に有意差は見られませんでした。BGMアリもナシも大して差は無いようです。が、被験者の内面的な部分に大きな差が出ました。すなわち、高揚的音楽を聴きながら課題遂行した被験者たちは「いらいらした」「不快だ」などと感じていたのに対し、抑鬱的音楽の被験者は「リラックスしてできた」と答えている。また、高揚的音楽の被験者は「集中して出来た」とも答えている。なんとなく予想と逆な結果なんですよね。
一番注目すべきは、BGMなしよりもBGMありのほうが「作業時間が長かった」と感じていること。ここは非常に興味深いですね。課題を遂行しながら、それでもやっぱり聞き入ってしまったのでしょうかね。ただ黙々と課題をこなしていくだけならば時間の経過を考えることもないけれど、BGMがあると聞くつもりはなくとも矢張り聞こえてしまう。そこがこの結果の要因なのではないかと思っています。ただ、それだけの情報が来ていると作業記憶の処理が遅くなるような気もするのですが……まさか、音楽を聞いていると実は集中度が上がっているのだけれどその実脳内の作業領域を使用するから相殺しあって結果が同じに見えるだけだとか……。ううむ、ここは卒論に挑む前に調べておきたいですね。