Zephyr Cradle Diary


2009.04.16 (Thu)

[音楽] ViolinとFiddleの違い

どっちも弾けるわけじゃないので聞き手視点です。

アイリッシュではバグパイプやティンホイッスルと並んで欠かせないフィドルですが、実際のところはヴァイオリンと同じ楽器。それなのにやっぱり、聴くと全然違うんですよね。

などと特に感じるのは、最近よくゲームのOPなんかで登場するケルト・アイリッシュ風な曲のヴァイオリンの音を聴いたとき。あーいう系の弦の音は大抵がヴァイオリニストが弾いてるんだろうなって思うんですが、やっぱりフィドルじゃないんですよね。音が。楽器は同じでもフィドルに聞こえない。まったく楽器ってのは奥深いもんです。

上で貼ったフィドルのリンク先にもあるんですが、

「ヴァイオリンは歌う、しかしフィドルは踊る」

というのがまさに言い得て妙。ヴァイオリニストが弾くメロディって、やっぱり繊細なんですよね。とっても綺麗で、まるで高々と歌い上げるような感じってのは、どんな曲を聴いていても根っこにはそういうのがあるなあって感じます。

それに対してフィドルは、良い意味で雑で大雑把なんですよね。「細かいことはさておき楽しもうじゃないか」的な感じがとってもします。だから音の入りとか抜き方とかが、ヴァイオリンに比べてもの凄く雑というか荒々しい。ロングトーンの響かせ方もしかり。楽器や出てくる音との付き合い方が、随所で全然違うんですよね。たぶん意識して聴いてみるとすぐに判るかと思います。

というのは最近フィドルのアルバムばかり買って聴いてるからってのがあるような気がしますが、そのあとにアイリッシュ風なゲーム曲なんかのヴァイオリンを聴くと、結構違和感を感じるんですよね。もちろんそういうのが「(日本の)ゲーム音楽らしい」とも言えるっちゃ言えるんですが、本場の曲ばかり聴いてるとどうしても「フィドルにしたらもっと味が出るんじゃないかなあ」などと不躾にも思ってしまう、今日この頃です。

フィドルのスタイルがもの凄く好きで、奏法とかはさておきとにかく踊ろうじゃないか! っていうなんかこの自由さが、実に心地よいんですよねえ。もちろんヴァイオリンにもヴァイオリンの良さがあることは知ってるんですが、それはそれとしてフィドルの音が好きだったりします。同じ楽器であるはずなのに奏者、ひいては文化によってここまで音や空気が変わるものなのかと、最近ホントに感心しきりな大臣にございます。

あ、別にTAMさんにそういう弾き方をしてくれって言ってるわけではないですからね!(笑