2015.01.27 (Tue)
■ [音楽] プリ響アフター
編曲参加させていただいたプリマビスタ交響楽団の演奏会が、無事終わりました。本当にありがとうございました。
聴いていただき、弾いていただき、歌っていただき、支えていただき。いろんな方々の手と想いでなしえた素敵な演奏会だったので、そのお手伝いをできたのは何よりも誇りです。これまでいくつかの楽団に関わらさせてもらってますが、その中で知り合った奏者の方々もちらほら居らしたので、やっぱり奏者の顔が分かる上で編曲が出来る、というのはとても贅沢なことだよなあと思いました。
担当した編曲についていくつかコメントなど書いておきたいなと。語ると味が落ちる、蛇足だ、と思う方も居るかもしれませんが……。
「独りじゃない」は定番中の定番で、かかるシーンが少ないのにFF9の代表曲の一つであるという、そりゃあんなシーンでかかればみんな好きにならないわけがないじゃない、という曲。FF9の主題があのシーンに詰まっていると言っても過言ではないですからね……。
ということで、この曲の担当になったときには、相当プレッシャーがありました(笑)。絶対この曲を期待して聴きに来る人は多いよね、というか自分が無関係で聴きに来る側だったら絶対そうだわ……ということで、気合い入れて編曲しました。
冒頭からごっそり出だしを変えたのは、やっぱりただ単に綺麗なだけじゃないから。Flaming Juneの某曲のオマージュをした出だしにして、そこからピアノソロへ。ひとりのピアノから徐々にハープや弦が加わって行き、次は対話するように弦楽アンサンブル。そのあとはパーカッションも加わえて、ようやく原曲通りの展開にするという、相当な焦らしプレイになってました。王道ですが、ああいう展開大好きなんです。管楽器と打楽器が加わった後、低弦勢での2拍3連祭りはちょっとしたこだわりで突っ込んでみました*1。
合唱は、一瞬のブレイクでアカペラにしてじっくり聴かせるようにしました。歌詞については、前の日記でも書きましたが、FFボーカルコレクション「Love Will Grow」の「はるかなる故郷」と同じスタイルの造語になってます。コーラス部隊の方々にはニヤッとしてもらえたようなのですが、聴いてる人にはちんぷんかんぷんですよね。いずれ何らかの形で公開できるようにしたいと思います。
リハを聞いた後の本番直前でドラムのスティックを変えてもらったりと、最後までご迷惑をおかけしましたが、素敵な演奏になって良かったです。関係者席で聞かせてもらいましたが、周囲で何名かが泣いておられるのを見られただけでも、編曲冥利に尽きます。本当に。
そしてアンコールの「アロハdeチョコボ~ウクレleチョコボ」。指揮の後藤先生が「FFシリーズであと代表的な曲をやってないんですが」と言った時、客席で周りから「チョコボだ」「チョコボ……」って声が聞こえてたので、ニヤニヤしながら反応を見てましたごめんなさい。そうだよね分かるよね! モグじゃないのかよってツッコミも見かけましたけど。
そんなチョコボメドレーですが、構成としては完全に吹奏楽~ビッグバンドに仕立て上げました。そこに弦と合唱も加わるなんていう、最高に贅沢なチョコボになりました。でもメロディは断固としてシロフォン(木琴)というアンバランスさ。あれを削ったら、この曲じゃなくなりますからね!
中間部では、ビッグバンドノリのまま「いつか帰るところ」のモチーフを無理やり挟んでみました。だって! 演奏会の最後だもの! もう一回「いつか帰るところ」聴きたいでしょ!! という、独断と偏見と我儘から突っ込みました。だって何より、自分がもう一回聴きたいんだもの。加えて、コーラスにメロディ歌わせるというゴージャスさ。これくらいアホな編曲があったほうが絶対楽しいと、自分は思います。
手拍子を誘えなかったのは残念*2ですが、それでも会場全体がウキウキしているのが分かりました。出来ればサックスも入れたかったなあというのは、今更ながらに思ったりもしますが、まあ今回はビッグバンド風オーケストラアレンジ、ということで。
ちなみにウクレレの音をどう再現しようかというのは、本当に悩みました。本当は、弦のピチカートで全部表現したかったんですが(割とそれっぽくなるはず)、流石に音量的に聞こえないし完全に管にかき消されるのが目に見えてたので、弓弾きにしました。うーん他に良いアイデアあったのかな。あったならコッソリ教えてください!
そんなこんなで、打ち上げまで参加させてもらったプリ響。とても楽しかったです。運営の某氏が「まさかチョコボで泣くとは思わなかった」って言ってたので、完全にガッツポーズでした。でも流石に、チョコボで泣かせる気はなかったです!
次もまた、いくつかのオケ企画に編曲参加予定ですので、その時再びお会いしましょうー。