2019.01.23 (Wed)
■ [音楽] ゲーム音楽オケとのかかわり方
たまにはなんとなく真面目な話を。
自分が属している(と思っている)アマチュアゲーム音楽オケ界隈で、クラシック・ゲーム関係なく色んな楽団に(エキストラではなく)乗り続けている凄腕チェリストのゴローさん。尊敬するプレイヤー(奏者)の1人です。
原作ゲームをあまりプレイされていない方なので、いつも「どうして原作知らないのに乗ろうと思うのだろう?」と疑問に思っていた。普通に考えればアマのゲーム音楽オケはファン活動のひとつだと思っていたので、普段バリバリにクラシックをやられてるゴローさんがなんでこんなサブカルオケに乗ってくれているのだろうと、本当に不思議だった。
でもそのゴローさんが以前言っていた(ツイートしていた)言葉を聞いて、色々と視野が広がったというか、なるほど外側からはそう見えているのだろうかと思うことがあったので、紹介したい。
一般的にゲームオケに参加する面々の動機というのは、そのゲームが好きでその音楽を楽しむためという事ではないかと思うのだが、自分の場合はちょっと違うのではないかと思ったりした。いやそのゲーム自体は嫌いではないというのは動機の一つではあるけれども。
— Goro SASAKI (@GoroSASAKI) 2016年5月6日
そうではなく、何というか例えば魔笛が作曲された時代にその音楽に触れた一般の人が自らも演奏しようとするような、そんなムーブメントに立ち会っているような楽しさを感じているのだ。
— Goro SASAKI (@GoroSASAKI) 2016年5月6日
その際のポイントはリアルタイムである事と、オリジナルに対するアレンジである事と、商業的(=プロの世界)ではない事だ。魔笛のオリジナルをその時代の音楽家が興業として演奏するのではなく、魔笛のアレンジを素人が演奏して楽しむという音楽の在り方が文化として素晴らしいのだ。
— Goro SASAKI (@GoroSASAKI) 2016年5月6日
もう少しいえば、オーケストラの在り方としてだろうか。クラシックという過去の芸術の再現を楽しむだけではない、今に息づく音楽の楽しみ方として、オーケストラの新たな可能性を示す端緒に立ち会っているのではないかという気がする。
— Goro SASAKI (@GoroSASAKI) 2016年5月6日
というか、そもそも今のクラシックがリアルな時代にもそんなものがあったのではないかという気がするんだよな。それが形を変えて再び注目されるようになっていると捉えても良いのかもしれない。
— Goro SASAKI (@GoroSASAKI) 2016年5月6日
自分は今でも本当にこの捉え方が好きで、なるほどサブカルの活動にはそういった側面もあるのかなと、そう思えるようになったと思う。
だからどうというわけでもないのだけれど。結局自分にやれることは限られているし、やることが大きく変わるようなこともなかった。ただ、例えば、それまで頭の片隅でどこか非プレイヤーがゲーム音楽オケに乗ることを諌めるような考えを持っていた自分がちょっと変わったような気がしたのは、確かだと思う。「音楽が好きだから」というのは、音楽を演る・聴くうえで最もシンプルな動機だったなあと再認識した次第だった。
まあもちろんゲーム音楽オケに関して言えば、原作を知ることでさらに深く背景を知って極上の体験を味わうことができるのは間違いないことなので、このゴローさんをはじめ原作知らないでゲー音オケに乗る・聴く人へは一様に原作のプレイをお勧めすることに変わりはないのだけど!
と、まあ、そんなお話でしたとさ。
ちなみに他にもこういう素敵な記事を書かれてるので、ついでに紹介しておくのであった。 → アンサンブルプレイヤー: ENIGMA VARIATIONS