Zephyr Cradle Diary


2021.07.20 (Tue)

[音楽] FFTのアマオケ演奏会再び。7/25にホーリーストーンオーケストラ演奏会開催

FFTの演奏会が今週末、今回は西方の兵庫にて行われます。

この演奏会では、以前関わらせてもらった楽団星の調べさん(ほしらべ)の楽譜「交響曲FFT」を使用しての演奏を行うとのことです。「交響曲FFT」には自分の編曲も含まれているので、もしかすると演奏されるかもしれない……ということでこちらでも宣伝をば。

もちろん自分が担当した編曲以外も素晴らしい楽譜だし、当然ながらFFTのオリジナル自体が素晴らしいサウンド。そうでなくともFFTの生演奏を聴けるなんてなかなかない機会ですし、西方にお住まいの方は是非とも足を運んで頂ければと思います(感染症対策も忘れずに)。

……さて折角なので自分語りをすると。

「交響曲FFT」の楽譜にはそこそこの思い入れがあります。

自分が関わらせてもらって以降の話になりますが……。2011年3月に大阪で行われるほしらべさんの演奏会向けに、生まれて初めて生オケ譜面を書いたものの、東日本大震災で演奏会は中止。その後、2014年にほしらべとは別団体*1にて初演。2017年には楽譜を改訂+追加しての再演。そして今回、ホーリーストーンオーケストラさんが更にこの譜面を使っての演奏会開催。自分が関わってから実に3回目の演奏になる譜面です。

それがこうして、2011年に中止になって以来ようやく関西で演奏されるというのは、なんとも感慨深いものです。

※過去の記事は以下:

自分がちょこちょこ携わらせて貰っているアマチュアゲーム音楽オーケストラ界隈(長い)の譜面ってのは、だいたいが内製(自分たちで毎回その演奏会のために耳コピして譜面を起こす)なんですが、一度演奏されると再演される機会はまずありません。一回で死蔵することがほとんどです。

楽団視点で言えば、ゲーム音楽を演奏させてもらう手前、ゲームの版元に演奏の許諾確認をしたり(だいたい作品単位ではなく曲単位です)、演奏会の編成に合わせて譜面を起こすため必ずしも汎用的な譜面ではなかったりします。楽団としても流行とか○周年とかに合わせて演奏会をするため、もう一度同じ演目を取り上げることがなかったりもします。

また、他所へ貸し出すとしても、手続きとか借用書とか借用期間とか、コピーどうするとか譜面管理どうするとか……。双方で取り決めておかなければいけない内容が色々とあります*2。また、借りたい! と思っても過去のオケは連絡先が不明になっていることもあるし、そもそも過去の演奏会の演奏はその場で聴いた人以外に2度と聴けないということは、その譜面を借りたいと思えるかどうかを後から吟味する機会すらないんですよね。音源や譜面がどこかで公開されているわけでもないですしね。

そういった事情もあってアマオケの譜面といえば一発もの、ワンオフなんですよね。

そんな中でも、「交響曲FFT」を持つほしらべの団長・蘭星さんは「色んな人たちに使ってもらいたい!」と日々掲げています。それを利用する形になったのが今回のホーリーストーンオーケストラさん……なのだと思います。既に何度も他所の演奏会でも使われているアマオケ譜面なんて、そうそう他にないんじゃないかなと思います(少なくとも自分は聞いたことがない)。良い譜面は何度演奏されたっていいし、色んな団体が演奏したって良いと思うんですよね。それこそクラシックや吹奏楽はそういった文化だし(オリジナルの有無という差はありますが)。こういった機会が増えるのは、本当に良いことだと思います。

長々と語っちゃいましたが、そんな背景があるのが今回ホーリーストーンオーケストラさんの演奏する「交響曲FFT」です。新型コロナで色々ある中でも演奏会開催まで漕ぎ着けることはこれまで以上に大変である……ということは自分も運営に携わっていた先日のテンプルナイツ交響楽団でお察しします。

ご盛会となるよう、東方の地より「エール」「はげます」しております。

*1 テンプルナイツ交響楽団、通称Tオケ。自分は運営としても参加。

*2 そんな面倒な! と思うかもしれないけれど、「公式」に演奏許可を取るということはそれだけしっかりとやらなければならないというのが「責任」なんですよね。公式に許可を取らずにやる同人とは分けて考える必要があるのです。