2022.05.30 (Mon)
■ [Game] 崩壊:スターレイル 巡星テストレビュー
崩壊:スターレイルの巡星テスト(いわゆるcβ)に当選したので、PC+スマホでたっぷりとプレイした。
現状配信されている範囲のストーリーは完走、開拓者ランクも31まで上がった*1ので、まあまあ一通りは遊び尽くしたであろうと思う。巡星テスト自体は終わりがまだ発表されてないのでしばらく続くと思うけど、一旦ここで記事を書いておく。
なおプレイは8割がたPC(Win10)で、残りはスマホ(iPhone13)でやった。cβとはいえアカウント連携でプラットフォーム跨いでセーブデータ共有出来るのは非常にありがたかった。コントローラでもプレイ出来るがまだ完全対応していないようで、今後に期待。
プレイ中のツイートはこちらのモーメントにもまとめているので合わせてどうぞ。
■概要
原神や崩壊3rdを配信してるHoYoVerse(旧miHoYo)の新作RPG。
そう、RPG。崩壊3rdは未プレイだけど確かアクションゲーだった気がするがそれとも違い、原神とも違う。アクション要素は一切ない。一番大事なポイントなので今日はまずはここを覚えて帰って下さい。
その上で、システムは8割くらい原神と同じなので、まずは原神と同じ要素を列挙する。以下は原神と全く同じ。
- 最初に主人公の性別を選択する
- キャラごとに属性と武器が固定(やや複雑なので詳細は後述)
- ガチャはキャラと武器の闇鍋
- 聖遺物に相当する「遺物」がある(詳細は後述)
- レベルの上限解放、武器の上限解放なども全く同じ
- 天賦やキャラ重複の凸も同じ(本作では軌跡、星魂という名前)
- 天然樹脂(いわゆるスタミナ)もある(本作では開拓力という名前)
- 冒険者ランク、世界ランクもある(それぞれ開拓者ランク、難易度ランクという名前)
- その他、名前は違うが都市評判、深境螺旋、秘境、週ボスなどもある
- メインストーリーはフルボイス
とまあ見てもらえれば分かるように、大体原神と思って良い。なので以降では崩壊スターレイル独自の部分などを書いていく。
■世界観/ストーリー
スターレイル、要するに星間鉄道ということで、世界観はSF。まあ大体スターオーシャンシリーズとかファンタシースターシリーズと似たようなものだと思えば雰囲気としては想像できるかなーと思う。
……のだが、冒頭から意味不明な用語が連発されるのとローカライズが酷いのとで、正直SF部分のストーリーはさっぱり分からない。なんかダーカーとダークファルスみたいなのが居るんだなって感じだと思う。
ローカライズはほとんど原神と同じような感じ。メインはまだマシなんだけど、サブクエはCVも付かないのでほとんど頭に入ってこない。今後改善されるといいのだけど、CV収録済みなのであんまり期待は出来ない。
1つめの星に行くと急に中世ファンタジー世界になるので、そこからやっと話が理解出来る感じになっていく。が、まあ話は普通のRPGだなーって感じなので、あんまり深く読まなくていいと思う。悪くはないけど、際立って良いというわけでもないって感じ。
とはいえカットシーンとかの演出は良く出来ているし、なのか(メインヒロイン・CV小倉唯)はカワイイと思う。
ちょいちょい原神ネタっぽいものもあるのはニヤッとする。
■フィールド
オープンワールドではないのだけれど、ちょっとした探索はある。マップ内の宝箱を開けた率に応じて評判が上がったり、原神で見たようなマップギミックがあったり、レアモンスターを探して倒せると報酬があったりする。ちょっと良い宝箱には強敵が配置されてたりもする。
敵との戦闘はシンボルエンカウント。エンカウント時、こっちから殴って戦闘に入ると先制が取れる。敵に殴られて戦闘に入ると先制を取られてしまう。
また特徴的なところとして、敵シンボルには弱点属性が表示されている。敵の弱点属性のキャラで殴って戦闘に入ると、その属性が弱点なキャラのHPを減らした状態+デバフを入れた状態で戦闘に入ることが出来る。まあ極力、弱点で殴りかかれってことですな。
■バトルシステム
画面左側に表示されているレーン上に出てくるキャラの順番通りに行動をしていくシステム。FF10や軌跡シリーズとかと同じなので、JRPGを良くやる人には比較的慣れ親しんだシステムでしょう。必殺技で行動に割り込める、というのもよくあるやつだ。
ということから分かるように、本作ではステータスの「速度」がとても重要になる。速度を上げるバフや敵の速度を下げるデバフによって、戦闘難易度がガッツリ変わる。
現状分かっている範囲ではアスター(☆4キャラ)が必殺技で速度アップ、ヴェルト(☆5キャラ)がスキルと必殺で速度ダウンを持っているので、この2キャラを入れてると敵のターンが全然回ってこなくなるのでバトルの難易度がぐっと下がった。もちろん遺物(原神の聖遺物)でも速度の基礎ステを上げられるし、他にも再行動スキルを持ってるキャラも居たり(ゼーレ(☆5キャラ))……と、まあキャラの行動回数に関係するステータスやスキルが重要という感じだ。
一方で、ターンが回ってきた味方キャラが取れる行動は、なんと通常攻撃とスキルの2通りしかない。
これは「2種類」ではなく本当に「2通り」しかない。キャラごとにスキルは固有で1個決まっているだけなので、殴るかスキルかの完全に2択っていう意味。ここは思い切ったな……というのが正直な感想。
スキルの使用にはSPを消費するのだが、このSPはパーティ全体で共有というのがミソ。SPは通常攻撃すると1貯まり、スキルを使うと1減るという仕組みなので、行動順を見て誰にスキルを使わせるか考えながら戦う感じになる。
……ということを踏まえると、各キャラの行動の種類を絞ったのはなるほど複雑すぎないバランスなのかもしれないなと思った。慣れてくると高速にテンポ良く戦闘が出来るので、手軽かつシンプルで良いのかもしれない。シンプルさの中にもちゃんと戦略性がある感じだ。
ちなみに戦闘スキルにはキャラごとに色んな種類がある。いくつか列挙してみる(カッコ内はそのスキルを持つキャラ)。
- 敵1体に多段攻撃(丹恒)
- 敵1体とその左右のキャラ1体ずつに攻撃(主人公、カフカ、セーバル)
- 敵全体に攻撃(ヘルタ)
- ランダムに○回攻撃(アスター、ヴェルト)
- 敵1体に攻撃+一定確率で再行動(ゼーレ)
- 味方1体に○○ダメージ分を防ぐシールド付与+狙われ率アップ(なのか)
- 自身の防御アップし敵全体に挑発付与(主人公*2)
前述のスキルはいわゆるアクティブスキルだが、この他にも各キャラにはパッシブスキル(天賦*3)もあるので、キャラにはそこそこ個性が付与されているという感じだ。
あとは必殺技と必殺技ゲージ(EP)が存在している。
EPはキャラごとに持っている必殺技ゲージで、EPが最大まで貯まると、好きなときに必殺技が撃てる。行動順を完全に無視して割り込みで撃てるというのがネックだ。EPは攻撃あるいは被弾で貯まる。まあ要するに、軌跡シリーズの必殺技と全く同じですね!
必殺技は全体攻撃が多いけれど、単体攻撃のものもあれば、味方全体にバフを盛るものもある。ここにもキャラ個性が出ているという感じ。
■属性
属性は全部で7種類あり、火・氷・風・雷・虚数・量子・物理。
これらの属性がキャラごとに固有で割り当てられている、というのは原神と同じ。そのキャラが繰り出す通常攻撃・スキル・必殺技・シンボルエンカウントを殴る時の属性すべてに適用されている。通常攻撃もこの属性になるというのがちょっと変わってる。
物理属性は、いわゆる無属性のように見えがちだが、本作では物理攻撃・魔法攻撃という区別がなさそうので、素直に属性の1つなんだと思われる。あと虚数とか量子とかがちょっとSFチックですね。
なお味方に防御属性というのはないので、この属性はあくまでも攻撃時にのみ関係しているっぽい。この子は火だから氷を喰らうと弱点かー、みたいなのはないってことです。
■光円錐(原神でいう武器)
ここが最高に変わりづらいので頑張って理解して下さい。
原神で言うところの武器は、本作では光円錐という名前になっている。ここでいきなり名前がぶっ飛んでるのでよく分からなくなる(なった)のだが、脳内で原神の武器か、あるいはFGOの概念礼装だと思って脳内変換しながら読んでください。
光円錐は色んな種類があるけど、基本的には誰でもどれでも1つだけ装備出来る。光円錐に書かれているHP・攻撃・防御の分だけステータスが上がり、この光円錐のレベルを上げるとステータスが更に伸びる。レアリティが高い光円錐ほどステータスの伸び率が良い。
ここでネックなのは、光円錐ごとに付いている光円錐スキルというものだ。基本はパッシブ発動で、だいたいステータスが何%上がるだとか、何したときに何が上がるだとか大事な事が書かれている。原神の武器スキルと同じ。
ここまでは良いんだが、光円錐スキルは装備するキャラクターと「運命」が一致していないと発動しないという制約がある。ここからが非常に分かりづらい。
まずこの「運命」というのは、各キャラに割り当てられている属性とは別のカテゴリで、いわゆるロールのようなもの。運命にはいくつかの種類があり、壊滅・存護・虚無・巡狩・調和・知恵・豊穣のいずれかが割り当てられている。どれがどういう傾向なのかよく分かってないンだけど、ここまでのキャラを見ている感じではなんとなく壊滅はアタッカー、存護はタンク、豊穣はヒーラーっぽい感じを受ける。他はよく分かりません!!
このよく分からん運命とかいうやつが光円錐にも設定されており、これが装備するキャラクターと一致していないと光円錐スキルは発揮されない、ということになる。下のスクショで言うと、光円錐の左上に緑色の丸が付いてるやつは運命が一致している光円錐というわけ。
この光円錐という仕組み、理解すればなんてことはないのだけど、とにかく名前と用語が分かり辛すぎる。なんかもっとこう、分かりやすい名前でも良かったんじゃないの……。作中の雰囲気を醸し出したいのは分かるけどそのための犠牲が大きすぎるのではなかろうか。
とはいえ、原神よりも武器の装備に対する制約が薄まっているというのは有り難いと感じる。例えば原神で言うと、めっちゃ強くした☆5片手剣は片手剣キャラにしか装備出来ないが、スターレイルでは誰でも装備だけなら出来る。ただ運命(原神で言う武器種)が異なってるとスキルは発動されないので、取り敢えずの繋ぎとして装備させておくかー、っていう感じになる。まあこれはこれで、と思わなくもない。
ちなみに光円錐の入手手段は宝箱や報酬のほか、週ボス報酬(☆4まで)と、あとはガチャ(☆3~☆5)だ。原神のガチャの武器枠がそのまま、スターレイルでは光円錐になっている。このゲームでも☆5光円錐ガチャが地獄なんだろうなあ! と容易に想像が付く。
■遺物(聖遺物)
一方で、このゲームの遺物は原神プレイヤーにも馴染みがある聖遺物のことだ。名前的にも分かりやすい……いや冷静に考えると原神プレイヤーじゃない人には分かりづらいな? 一般的なRPGでいうアクセサリーのことです。詳しくは原神の聖遺物でぐぐって。
原神では5部位だったのが、スターレイルでは6部位となっている。頭(花)・腕(羽)・胴(対応なし)・足(砂)・首飾り(杯)・武器(冠)の6箇所(カッコ内は原神での対応部位)。部位の呼び名は公式設定が分からないのでアイコンや種類から適当に名付けた。
胴が新規部位だが、この部位はメインステが防御固定になっている。原神ではみんなHPと防御を(一部のキャラを除いて)ゴミステ扱いするからね、ちゃんと付けるようにしろよってお達しなのだろう。
遺物にランダムで付与されるサブステについて、原神と大半のステータスは同じなのだが、原神にあった「元素熟知」「元素チャージ」はなくなった。代わりに「速度」「効果命中率」「効果抵抗」が加わって、より地獄になった気がする。たぶん速度が付いてるかどうかのサブステガチャになるんだろうなあ……。
またセット効果も5セットが増えているので、6部位にどう割り当てるかのビルドに幅が広がった。2セット×3にするか、2セット+4セットにするか、5セットにするか。これはこれでハクスラ系が好きな人は原神よりもハマるかもしれない。
■マルチプレイ要素
今のところマルチ要素は全く見当たらない。週ボスをマルチでやるとかもなさそう。
完全にソロゲーのRPGに振り切った感じなのか、まだマルチ要素を開発中なのかは分からないが、ただ現状はこの状態で完成されている感じもあるので、このままマルチ要素なしのまま行くような気もしている。まあ原神だって実際は完全にソロでプレイしてる人が多数だと思うので似たようなものではあるが。
キャラや武器だけガチャということで、アナザーエデンやオクトラ大陸の覇者みたいな路線の1つになるのかもしれない。
■サウンド
BGMは良くも悪くも雰囲気重視。街やフィールドの曲はまあそれでもいいんだけれど、戦闘曲も映画音楽のような感じというか。JRPGでよくあるメロディアスなロックとか四つ打ちとかそういうのは全くない。
正直ここは非常に残念。音楽の質が高いのは分かるんだけど……。
■総評
(良くも悪くも)原神のガワを変えてRPGにしたという1作。
原神からオープンワールドと探索という要素を抜いてしまった以上、原神よりもすぐに「やることがない」状態になるのは予想が付く。このプレイヤーの消化速度に開発側が果たして追いつけるんだろうか(話題を維持できるんだろうか)というのはとても気になってしまうところ。
特にストーリーのテキストがちょっとその、物足りない感じなので、FGOのようにストーリーテキストの提供をご褒美にするというのも些か期待出来なさそうなので、純粋にソロゲーのハクスラ(=サブステガチャ)に振り切るしかなさそう。しかしマルチ要素がないとなるとそのサブステガチャも、良い遺物が出たとしても自慢するのがSNS上でになってしまうので、なんとも盛り上がりに欠けそうな気配もする。
キャラクターのモデリングやグラフィック、戦闘システムなど、投入されている個々のリソースは素晴らしいと思うのだけど、パッケージ販売でなくF2Pでパッチリリースの提供方式を採るのであれば、やはりどうしても「途中でサ終しないよね大丈夫だよね……?」というのがチラついてしまうというのが人間のサガ。
とにもかくにも最後まで走りきって欲しいな……と心配してしまう感じを受ける。応援したい。
■おまけ
Twitterで散々叫んでいるけれど、主人公ちゃん(たぶんCV石川由衣)がめっちゃ好みでイケメンなので、この子であちこちふらふらするだけでも最高に楽しいので個人的には7兆点です。製品版リリース早くお願いします頼むぞほよばくん!!
最後に公式PVをば↓