2023.11.13 (Mon)
■ [Game] Fate/Samurai Remunant(ネタバレなし)
最初のチュートリアルのボスで即行ゲームオーバーした雑魚はこちらです。
いやまさかチュートリアルで死ぬと思わないじゃん何???? ってなったんだけど何???? KOEIだしなんかいつもの無双でしょ~~~って舐めてかかったらこれですよ。舐めプするな。それはそう。
KOEIから出るFateの無双ゲー……かと思ったら違った。普通にアクションRPGだった。というのが最初のハイライト。
いや、確かにアクションは無双なのである。雑魚がわらっと出てきたり、弱攻撃を何回連打した後に強攻撃を撃つかでコンボルートが変わったりするし、武器を敵から拾うのもあるし、回復アイテムもおにぎり。いつものアレだ。三國無双、戦国無双で良く見たアレ。
しかし、OPで主人公を選んで~みたいなのはなくて、普通に主人公固定の一本道、というか普通にRPGだ。レベルもある。蓋を開けてみれば無双のアクションをベースにしたRPGであった。なるほどそうきたか。
主人公は宮本武蔵の弟子、宮本伊織。時代は江戸時代初期、二天一流を極めんとする伊織は太平の世で平穏に暮らしていたが、ひょんなことからセイバーを召喚することとなり、「聖杯戦争」の紛い物といわれる「盈月(えいげつ)の儀」に参加することになって……というところから話が始まる。
Fateで宮本武蔵といえば、FGOにも出てくる「あの」武蔵ちゃんなのだが、まあFGOを知らなくても一向に問題はない。なんなら聖杯戦争を知らなくても問題ない。本作でFateを履修するで全然良い。それくらいに、Fateのちゃんとした(?)聖杯戦争を、しっかりとセイバー陣営でプレイすることが出来る。他の陣営や登場サーヴァントなんかは、公式サイトを見て確認してほしい。マスター側に「おまえどっちかというとサーヴァント側では?」ってやつもいるが。
Fateらしく、サーヴァントは真名隠しをしているので、真名探りの楽しさもある。まあFGOで実装されている勢はともかく、歴史や伝承に詳しくないと新規サーヴァントは自分も半分くらい知らなかったのだが、それはそれとしてもやはり「こいつはあれかな……?」などと考えるのは楽しい。
ただまあこればっかりは、発売から時間が経つと世にネタバレが溢れてしまう時限モノなので、今やるしかないと思って焦ってプレイしたのはある。もちろん、真名バレをした上でも楽しめるのがFateでもあるのだが、やっぱ自分の目で真名解放を見たいじゃんって想いがあった。
バトルについて。雑魚相手はさておくとして(ほぼいつもの無双なので)、大物系、特にサーヴァント戦について。
サーヴァントや大怪異が相手の場合、強力な魔力シールドを持っている(いわゆるガード値)。このシールドがあるうちは伊織の通常攻撃はほぼ弾かれるので「サーヴァントってやっぱつえーな!?」ってなる。敵が技を放ったあとの硬直時間にだけこのシールドが無効化される時間があるので(緑の靄が掛かる)、そこを狙って殴っていくというのが基本戦術だ。シールドを削りきると殴り放題になる(が敵にはのけぞりがほぼないのでホントに殴り続けるとこっちが死ぬ)。
なおチュートリアルで即行ゲームオーバーしたのは、攻撃が弾かれまくり、そして殴られまくって即行死んだっていうオチだ。サーヴァントは攻撃も痛いので、3発くらいもらうと死にます。ゲームバランスがFateって感じでいい。人間は脆い。最初死にゲーか!? と思った。
回復は、魔術での回復もあるがアイテムのおにぎりを使うのが最速(アイテム欄を開いて使うまで時間が止まるし詠唱もない)なので、敵のダメージがめちゃくちゃ痛いバーサーカー戦なんかは(2発食らうと死ぬ)、おにぎりを食べまくりながら殴るという物量戦になる。やはりポーションがぶ飲み戦法は正義。
ただ序盤はお金があまりないのでおにぎりがそんなに買えない上、各地で売られてる在庫も多くないので、そんなにリッチに使えないのが難点ではある。後半や2周目以降になってくると金に余裕も出るので50個くらい持って余裕の構えで挑めて良い。
一方、(無双で言う)普通の弱攻撃・強攻撃のコンボ以外にも、魔術と共鳴絶技というものがある。
サーヴァントなどの敵が大技を放つとき、一瞬だけ詠唱モーションがあるのだが、その瞬間に共鳴絶技か専用の魔術を当てると、敵が確定でピヨるというルールがある。だいたいの敵はそれを狙ってピヨらせ、そこに連撃を決めていくというのも主な戦術の一つになる。
魔術は習得した攻撃、回復、バフを魔石を消費して使う消費アイテム技。4枠までカスタマイズ可能。とはいえ魔石は最大99個しか持てず、回復でも一発で4~8くらい消費するうえ詠唱モーションもあるので、そんなに連打出来ない。魔石の入手手段が雑魚狩りメインなのもちょいとダルい。なので、実際使うのはここぞと言うときにピヨらせるための軽量な消費3くらいで撃てる魔術くらいになった。
共鳴絶技はゲージ消費技で、レベルが上がっていくと6本くらいまでになる。1~3本消費して強い技を撃てるというやつだ。敵を殴ってくと溜まるゲージ。敵をピヨらせるには1本消費の技でも大丈夫なので、システムを理解してからは1本消費の技ばかり使うようになってしまった。あとは3本消費の技に相方サーヴァントの宝具ゲージ75%アップくらいする技があるので、ゲージが余るようならそれを使うという感じ。
宝具はめちゃくちゃカッコイイし強い。やはりFateの大一番というところだ。自分はこれを見るためにFateやってるところはある。本作的には、放てば1発でサーヴァントでもHP半分近く持って行けるくらい強い。気持ち良い! でもそろそろ宝具スキップは出来ても良いと思うんだ。そんなに長くないからいいけど。
他にも陣地取りゲームのようなミニゲーム要素があったり、武器の手入れや仏像掘るミニゲームがあったりと、細かなミニゲームがあるあたりも普通にJRPG~って感じ。ていうか英雄王の像を掘るの普通に難しくて笑った。
スキルはスキルツリーというかスフィア盤というかなアレなやつで習得するし、その中でもストーリー進行や条件達成で解放されるスキルがあったりする。またモブを一定数倒すと報酬がもらえたりとか、指定の名所を訪れると報酬がもらえたりとか、クエスト的なものも数多く設定されててやりこみ要素に事欠かない。トロフィー対象ではなかったから埋めこそしなかったが、やれることは多いなーという印象。
個人的に楽しめたなーと思った要素としては、
- マップが江戸~神奈川なので、普段から馴染みのある地名が出てきて楽しい。主人公の本拠地の浅草に始まり、上野や品川、川崎大師、横須賀など。江戸周辺を小旅行している感じになれた。流石のKOEI。
- マルチエンドだった。そうだよねFateだもんね、というのを分岐ポイントが出てきて思い出した。ただ別ルートをやるには結局最初からやり直さないとなのがやや面倒ではあったが(途中セーブもある程度は使える)。
- セイバーくんがとにかくかわいい。「性別:?」にはなっているけど、これ男の子でも女の子でもどっちの解釈をしてもかわいいしカッコイイしかわいいのがズルい。作中では「彼女」「お姉さん」などと呼ばれたりしているし、あと「妻」が居るので、個人的にはほぼ百合です本当にありがとうございました。
まあ最初から最後までずっと共に戦うことになるこのセイバー陣営(伊織、セイバー、カヤ(伊織の妹。CV久野美咲))が好きになれるかどうか、というところはあると思う。こんな(ある意味で)仲の良い子たちを嫌いになんて、とは思うが刺さらない人には刺さらないかもしれんので大口は叩けない。自分はめちゃくちゃに好きでした。幸せになって欲しい。
1周目クリアまで30時間ちょっと。その後プラチナトロフィーまで取って65時間くらい。トロコンまでのほうが時間がかかっている。
全エンドを見てもトロコンにならないというのと、プラチナトロフィー獲得率が現時点で3%程度というのを見て、自分はもう少し躊躇すべきだった。まだ発売から間もないからか、トロコン視点での真っ当な攻略サイトがないというのもあるが、何よりも自分が何の要素を取りこぼしているのかゲーム内で分からないという点が最大の地獄であった。
ネットを見る限りだいたいみんなが詰まっているのは「雑記帳を完成させる」のトロフィー。
この雑記帳というのは、ストーリー進行とかでキャラの背景や土地の情報などが埋まっていく、いわゆる図鑑的な要素で、全エンディング見れば全部埋まるでしょ……と高をくくっていたらそうではなかったというのが最初の罠。第二の罠が、埋まってない箇所は空欄すら出ないので(空欄があるとネタバレに繋がるとかいう配慮なのかもしれん)、どこで何を取りこぼしているのか察することすら出来ないという罠。そして第三の罠が時限モノ、つまり「ストーリーのある特定のタイミングで特定の行動をしたり、そのときにしか現れない特定のアイテムを拾ったりしたときにしか解放されない項目がある」という罠。これらが複合した結果、地獄が誕生した。むしろ3%もの人がこれを埋めたのかよFateファンすげーなとまで思った。
いやでも感心してる場合ではない。全エンド見た後はもうあとどこで何を取りこぼしてるのかヒントくらいくださいよマジで。
そんなこんなでたっぷりと楽しんでしまったわけだが、なんともスッキリしない終わり方になってしまったのは否めない。
いや確かにFateとしては楽しかったのだが、ストーリーもといエンディングに対しては自分の中で賛否両論がせめぎ合っている。特に最後に解放される真(?)エンドは、「これでいいのか?」と「これで良かったんだよ」というのがずっとバチバチに殴り合っていて、自分の中で未だに咀嚼し切れていない。型月らしいじゃないかと言われればそれはそうなのかもしれない。
それに加えて、トロコンに至るまでの苦労がマイナス補正になってしまっており、本作のトータルとしては自分の中で並程度の評価になってしまいそうになるのが良くない。トロコンは、自分がそこに挑まなければ良かった話なので、マイナス要素にすべきではない……のだが……。
ともあれ、盈月の儀を駆け抜けた宮本伊織とセイバーたちの戦いを描いた作品として、実りある話に触れられたというのは間違いなく良い時間であった。Fate作品のひとつとしてしっかりと楽しめたので、個人的にはとても満足した時間でした(武蔵ちゃん風に)。
この先DLCが3本予定されており、「本編とは趣向の異なるシナリオ」と謳われている事からも本編のアフターのようなストーリーを補強するようなものではないのだろう、とは思う。が、気になるのでひとまずどっぷり浸かっておこうかなと思う次第なのでありました。