2024.09.04 (Wed)
■ [Game] 聖剣伝説VISIONS of MANA(ネタバレほぼなし)
待ちに待った聖剣伝説新作!(以下VoM)
待ち望みすぎてアーリーアクセスが付いてるデジタルデラックス版を買ったことを普通に忘れてて、1日早くプレイ出来ることに動揺してしまった。ちゃんと忘れないようにしましょう。
先に総評から。
- グラフィック:5
- 音楽:5
- ストーリー:4
- バトル:4
- システム周り:2~3
メインストーリークリア(サイドクエストも全部クリア)で、プレイ時間は36時間ほど。セリフはそこそこに飛ばして聞いてこのくらいで、クリア後の追加ボスも全部倒して40時間行かないくらいだった。RPGのボリュームとしてはプレイしやすかったですね。
聖剣新作といえばやはり、比較したくなるのは以前リメイクされた「聖剣伝説Trials of Mana(以下ToM)」。ToMはリメイクとして最高の最高だったんだけど(ToMの感想日記はこちら)、今回は新作。リメイク作品と新作ではやはりユーザーとして受け取り方が違うので、令和の新作としてどう出してくるのかな~とワクワクしていた。
とにもかくにもグラフィックが完璧。ToMでも十分に磨きがかかっていたのは健在で、今作はそれを越える素晴らしいグラフィックを見せてくれたと思う。オープニングムービーのマナの樹を見ただけでも「あ~~~~聖剣だ~~~~」ってなるので最高。やっぱマナの樹やマナの聖域の映像体験って聖剣シリーズでは超重要なのでね……。
聖剣2であの壮大で象徴的なマナの樹を描かれていた磯野宏夫さんはもう亡くなられていますが、あの雰囲気をそのままに映像化しているのが本当に最高。今でも息づかいを感じるかのような神聖な気持ちになる。
フィールドを探索していてもどこも映像が綺麗で見応えがある、どこを切り出しても絵になる、というのはやはり良いですね。聖剣らしいコミカルというかかわいらしい雰囲気もしっかり踏襲していてすごい。なんでフォトモードがないんですか?
割と感心したのは街中のNPCたち。服のデザインやモーションが豊富。なんでNPCにそんな力入れてるのってくらい。サイドクエストでアイテムを渡したりするときの手渡しモーションもあるのだけど、むしろ主人公たち側が棒立ちのままなのが面白い。サイドクエストでのNPCとの会話では基本的にNPCしか動かない。なんでよ。面白いからいいけど。
あとお店の人が謎に踊ってるのがシリーズ踏襲でフフッとなってしまう。なんで踊ってるんだよ本当に。ちなみに話しかけると踊るのをやめるんだけど、その場から離れるとまた踊り出す。様子を見てると「よし踊るか」みたいな感じで踊り出すからマジで面白い。めっちゃ好き。
ゲーム全体としても、本当に聖剣3(というかToM)の踏襲になっている。話の流れとか、移動手段とか、ゲームの方向性もだいたい聖剣3。雑魚モンスターも(良くも悪くも)ほぼ既存のシリーズモンスターばかり。音楽も聖剣3と聖剣Legend of Mana(LoM)を足して割ったような曲ばかりなので非常に馴染みやすい。
もちろん、VoMでは主人公が固定なのでマルチエンドがないとか、クラスチェンジはいつでもどこでも出来る(FFのジョブに近い)とかの差分はあるけど、概ね聖剣3をやる気持ちで臨んで間違いなかった。聖剣3は全人類好きだから大丈夫ですね。
ストーリーとしては、導入は正直ちょっとダレる感じがあった。冒頭からずっと主人公ヴァルやヒロインのヒナが「守り人としてヒナを守る!」「ヴァルと一緒に旅できて嬉しい」ばっか言っててちょっと冷めるところはある。最初の仲間であるカリナが同行するあたりからようやくちゃんとRPGらしい雰囲気の会話になっていってホッとしたりはした。
以降は聖剣らしいテキストで進んでいく。ここで聖剣らしいというのは要するに「考えるな感じろ」で、あんまり背景とか設定とか動機とか深く考えなくて良いということです。テイストとしては古くささは残るけど、これ以上テキストのボリューム増やしてもって思うのでちょうど良かったと思う。このお陰で話がサクサク進んでいくのは、ある種独特だよなあと思う。
一方で、歩きながらのキャラ同士の道中会話が豊富なのがとても良かった。「そろそろ、さん付けで呼ぶのやめてほしい」みたいな会話まで道中会話でやっちゃうのは思い切ってるなあと思う。道中会話がどれも良い感じので聞き逃せない。会話中にNPCに話しかけると会話が止まっちゃうので、道中会話が始まるとその辺りをうろうろしがちの不審者になってた。
推しは今のところカリナですが、ジュリも良かったね。やはり草人はかわいい。
バトルは基本的に範囲攻撃を避けるゲーム。まあFF14やモンハンで死ぬほど鍛えられているので余裕ですよ、って思ってやってるとまあまあ死ぬ。聖剣なので、明確に攻撃範囲の予兆が出る敵の大技よりも予兆の出ない敵の通常攻撃のほうが当たるし普通に痛いんですよね。気付くと敵のただのブレスやら素殴りやらをもらって死んだりする。レベル差あるならいいんだけどちゃんと回避使ってうろうろしましょうねというやつ。ハッキリいって楽しい。
属性相性も結構あって弱点突くのは楽しいのだが、クラスやキャラによってはそう属性をぽんぽん切り替えられるわけでもないのがなかなか良いバランス。うちのプレイスタイルは結果として「セイバー魔法で通常攻撃に属性付与できて属性切り替えも楽だし~な主人公のヴァルが一番万能なのでは?」となった。めちゃめちゃ優秀でした。
魔法ベースで戦うパルミナもそこそこに万能ではあるものの、魔法は詠唱時間がネック。月のクラスにして詠唱時間短縮とか使えば活躍できるのかもしれないけど、そうなると次はMP枯渇がネックになって……などと悩んで、結局脳筋なヴァルを選んでしまった。自分はちゃんとパルミナを使いこなせてないけどたぶんアビリティの付け方次第では化けると思う。
今回意外と豊富だなと思ったのが、召喚魔法。聖剣3ではシャルロットがゴースト召喚だのパンプキンボム召喚だのをして魔法攻撃してたと思うけど、アレのこと。種類が微増してる上にボス系を召喚出来るのが増えててビックリした。フルメタルハガーが召喚で呼べる!? ウオオオオ!! ってなって一人でテンション上がってた。なお呼ぶと確かにカッコイイんだが画面的にはデカすぎて素直にめちゃくちゃ邪魔です(でも愛用してる)。
システム周りにはややストレスを感じる部分が散見されたなあという印象。基本的には良く出来ているし大きな問題は少ないんだけど、細かな「もうちょっとこうあってほしかった」みたいなのがちょこちょこある感じ。
大きなところでは、今回はファストトラベルがあるのでマップ内を自由にジャンプ出来るのだが、他マップへ飛ぶ時には竜脈(セーブポイント)からじゃないと飛べないのが不便。それに加えて、この竜脈からのファストトラベルも大陸や島は跨げないという仕様なのが不便。
この仕様、どう見てもブースカブー(海移動)やフラミー(空移動)を使わせるために作ったとしか思えない制約なんですよね。シリーズ伝統を体験させるためにユーザーに不便を強いるのは、もうちょっとどうにかならなかったのかなと思ってしまう。素直に大陸間でもファストトラベル出来て何がダメなのか。サイドクエストとかで納品する時とかにめちゃくちゃ不便で仕方がなかった。いちいち海や空のワールドマップに行くから毎回ロード入るし。
他にもダッシュ周りとか段差移動とかでちょこちょことストレスを感じるところがあって、うーんっていう感じ。
ちなみにクリアまでにクライアントが突然死するのは2回ほど体験しました。みなさんもちゃんとこまめにセーブしましょうね。なお2度ともマップ移動時だったのでマップ移動時は警戒しましょう。
とまあそんなストレスはあったものの、ゲームとしてはとても好印象だったので個人的な評価は高め。エンディングも好みだった。
聖剣3と比較してばかりの観点で楽しんでしまったので、そんなに聖剣3(ToM)が好きなら聖剣3を何度でもやれば良いじゃないかというのはそれはそうなんだけど、SFC版とPS4版とで併せて10回以上は余裕クリアしてるんで、新しい聖剣はやっぱり嬉しいもので。今回はそこまで周回要素が強くなさそうなので2周目をどこまでやるかなあというところ。トロフィーコンプはしたいと思うものの、ノーヒントでサボテンくん探すのが嫌過ぎるので多分途中で挫折する(攻略サイト見てまでやりたくない)。
クィ・ディールというこの世界観にどっぷりと浸れたのは本当に良かった! やはり聖剣は聖剣でしか得られない栄養素があるので、今後も続いて欲しいなと思う次第です。
なおサウンドトラックは9/11発売ですよろしくお願いします!